人形劇 20


なんかゴンとキルアが立海に通うらしい。
嬉しくて嬉しくて、思わず朝から顔がにやける。

クラスの人たちがなんか怖がってたけど、しーらない!だって、私は今とーっても幸せだから!

あはは!早くゴンたちに会いたいなぁ!


「谷津原。」
『ん?あー…っと、』


名前なんだっけ?
ずっとみんなと一緒にいたから、テニス部たちの名前忘れてちゃった!

ま!どうでもいっか!


「何故昨日は勝手に休んだ。朝練も来なかっただろう。」
『えー?それって、関係ないよね?だって、個人の都合だもん!』
「だか、昨日は仁王も…」
『それが?』


ギロリと男を睨み付ける。
……あ、真田だ。真田って苗字だ。

男の名前をやっと思い出して、席から立ち上がる。


『真田、ウザい。つまんない。最悪。なんでそんなつまんないの?もっと愉しませてよ!私を愉しませてくれないと、死んじゃうよ?だってぜんぶぜんぶぜーーんぶ!お人形遊びしたくてしょうがないんだもん!私のお人形!あははは!!』


ケラケラケラケラ、私は嗤う。

お願いだから、私を愉しませて?
つまらない世界に用はない。
愉しい世界が私は好きなんだから!


「お前っ…!」
「おい、席座れー」


真田が私の胸倉を掴んだ瞬間、ガラリと扉を開けた教師が教室に入ってくる。


『早く座らないと、怒られるよ?』
「っ、」


真田は私を思いっきり睨みつけると、自分の席に戻っていった。私も自分の席に座って教卓を見る。

あーあ、つまんないの。
もっと殴ってくれてもいーのに。
そしたら、倍にして返してやるから!

ペロリ、嗤いながら舌舐めずりをした。


「喜べ!今日は転校生がいるぞ!入ってこい!」


長ったらしい話が終わって、聞こえたその言葉にピクリと反応する。
それからガラッと入ってきた子を見て、満面の笑顔を作った。


「キルア=ゾルディック」
「お、おい、それだけ『キルアだ!』


なんか言おうとしてた教師を無視して、キルアに手を振る。

やった!キルアと同じクラスって嬉しい!


「なあ、俺、名前の隣り行くから。」
『うん!きてきてー!…あ、名前も知らない君、さっさとそこからどいてよ?』
「ヒッ!」


にーっこりと嗤いながら、名前も知らない隣りの男を見る。ほんのりと、殺気も出して。
すると、男は小さく悲鳴をあげていまにも泣き出しそうな目をしてた。

あはは!おもしろーい!

その滑稽な姿を見て嗤っていると、教師が男に助け舟を出す。

ちぇ!面白かったから、お人形にしたかったのになあ。


「ふーん。学校って、なんかつまらなそうだな。」
『えー?今はすっごく楽しいよー?だから、キルアは邪魔しないでよね!』
「わーってるって」


私の隣りの席についたキルアに歪な笑顔を向けた。


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bkm
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