『わぁ、でっかいとこ!』
現在、えぇっと、なんだっけ?
とりあえず、まだゾンビのいない平和な街にいるよ!
久しぶりに見るたくさんの人にキラキラと目を輝かせる。
すごおい!みーんなちゃんとした人だ!
『すごいね!クイーンちゃん!アンジーちゃん!』
【ほんとね!わたし、こんなたくさんの人間初めて見るわ!】
クイーンちゃんと一緒にキラキラしながら、私たちの前を通り過ぎる人たちを見る。
「名前、はぐれないようにしなさい。」
『はいな!』
にっこり笑って、ジルお姉さんの手をギュッと握る。ただし、ジルお姉さんとカルロスお兄さんは指名手配されてるから、今はプチ変装中。
変装中でも、ジルお姉さんとカルロスお兄さんは美人でかっこいいんだよ!
『アリスお姉さんとマットお兄さん、まだかなぁ?』
「きっとすぐ帰ってくるよ。ね、それまで一緒にみんなのお洋服選ぼう?」
【それいいわね!アンジーったらいい案出すじゃない!】
『私もみんなの服選ぶー!』
三人でキャッキャ笑いながら話す。
久しぶりに過ごす平和な時間が幸せ。
ずっとこんな時間がいいな。
アリスお姉さんとマットお兄さんは二人で食糧やらなにやらを買いに行ってる。
それを私とアンジーちゃんとクイーンちゃんとジルお姉さんとカルロスお兄さんでお留守番中なのです!
『イルミネーション綺麗だよね!』
もうすぐクリスマスだからか、キラキラとしたイルミネーションが街を彩る。
そっかぁ。もうすぐクリスマスだもんねー!
『私、ケーキ食べたい!』
「そうね。じゃあ、ケーキも買って来ましょ。」
初めて過ごす、“一人じゃない”クリスマス。
心がウキウキ浮かぶ。
【わたし、クリスマスって初めてだわ。】
『クリスマスはねー、きっと楽しいよ!』
一人のクリスマスはさみしい。
けど、みんなでやるクリスマスはきっと楽しいはずなんだよ!
《今日の生中継でのゲストは現在、日本で最も売れてる女優の×××××さんです!》
ふと、ビルにあった大画面を見た。
そこには、私の知ってる人が映ってて。
《よろしくお願いしますわ。》
この世界に、私の知ってる人はいないはずなのに。
でも、そこにいたのは、
『おかあ、さん、?』
私を産んだ人だった。
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bkm