金盞花に哭く 18


『頭、痛いなぁ、』


ズキズキと頭に痛みが響く。
でも、今日は学校に行かなくちゃ。

竜貴ちゃんたちに心配かけちゃうから。



「あ!名前ちゃん聞いてー!」


学校に着いて、教室を開けると同時に織姫ちゃんに抱き着かれる。


『織姫ちゃん、おはよう。』
「あ、おはよう!あのね!昨日部屋に横綱が来て、テッポウで壁に穴あけたの!」


チラリ、竜貴ちゃんを見る。
竜貴ちゃんは、わたしに否定されると思ったのか、目を逸らした。
それにチクリと胸が痛むけど、にっこりと微笑む。


『そうなの?大変だったね。』
「え、名前、信じるの?」
『え?うん。』
「あたしはそーゆー可愛らしい名前が好きよ!あたしと新しい扉開かない?」
『えっと…』
「千鶴!あたしの名前を口説かない!」


ギュッと千鶴ちゃんに抱き締められたと思ったら、竜貴ちゃんに千鶴ちゃんから離される。

それから始まった竜貴ちゃんと千鶴ちゃんの言い争い。
わたしを抱き締めた竜貴ちゃんの顔が赤くなってたのを見て、ふにゃりと笑った。

変わらない日常が愛おしくて、幸せで、

それでも、シロくんがここにいることを望んでしまうわたしは、愚かなのかもしれない。





授業も終わってお昼ご飯の時間。
いつも通り、竜貴ちゃんたちと食べようとすると、一護くんに呼び止められる。


『ん?』
「なぁ、屋上で食わねぇか?」


そう言ってから一護くんは、顔を真っ赤にする。

一護くん、可愛いなぁ。


『うん。久しぶりに一緒に食べよ。』
「ルキ…朽木もいるけど、いいか?」
『ふふ、いいよー。』


竜貴ちゃんに、一護くんと一緒に食べるってことを報告すると、わたしは一護くんたちと屋上に向かった。


「よ、よろしくお願いしますわ。」
『えっと、朽木さん、そんなに固くならなくてもいいよ?一護くんといるみたいに、リラックスしてくれればいいから。』


朽木さん、わたしがそう言ったとたん、傷付いたようなルキアちゃん。

ああ、そんなに傷付いたような顔をしないで。
頭の痛みが酷くなってくる。


「……わかった。私のことは、名前で呼んでくれ。私も、名前で呼んでいいだろうか…?」
『もちろん。よろしくね、ルキアちゃん。』
「っ、」


泣きそうな顔をしないで。
わたしなんかのために傷付かないで。


『ルキアちゃん?』
「っ、悪いな。名前があまりにも昔の友人に似てたんだ。」
『……そう。』


わたしは知ってるのに、知らないフリをするんだから。

ごめんなさいごめんなさい。
弱くて、最低で、

それでも、わたしは、

今朝よりも痛くなる頭痛に、頭が割れるようだった。


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bkm
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