甘味依存症 17


桃井Side

あの女をどうやって追い出すか。
残念なことに、あの女は女子から好かれてる。


「けどね、女の子の友情なんて、儚いものなんだよ。」


レギュラーのみんなの前で、口の端をあげながら笑みを作った。

その点、名前ちゃんと私は一生の友情と愛だもんね。ずっと一緒!

名前ちゃん、だあいすき!
だから、名前ちゃんのためにも、さっさとあの女を追い出してあげるね?
ぜーったい、名前ちゃんを辞めさせたりさせないんだから!





「……ん?シャツがないな…」


ポツリ、赤司くんが呟く。

私と赤司くんとあの女は同じクラス。
あーあー、一年生の時に戻りたいなぁ。
名前ちゃんと一緒がいい。

赤司くんの言葉に、赤司くんファンの数人の女の子が反応する。
ああ、気持ち悪い。あのだらけきった笑み!下心満載なのが伺える。


「え、赤司くんのシャツがなくなったのぉ?」
「…あぁ。部活のときはあったはずなんだが…」
「え!それって、盗まれたんじゃなぁい?」


赤司くんのことが好きな女の子がそう言って、私を見る。

私のこと怪しんでるのかな?
それならありえないのにね。


「…確か、最後に部室から出たのは廣瀬だったな…」
「……えっ!」


驚いたように声を出す廣瀬さん。
それに笑いたい気持ちをグッと我慢して、困ったような顔を作る。


「そういえば…昨日名前ちゃんから鍵奪ってたよね…?」


ポツリ、そう呟けば、みんなハッとした顔を作る。それから、一斉に廣瀬さんを睨んだ。
みんな、わかりやすいなあ。さっきまで、廣瀬さんと友達だったみんなも廣瀬さんを睨んでる。


「…廣瀬、悪いがカバンの中を見せてもらえるか?」
「そんな…!赤司くんはわたしのこと疑ってるの…?」
「いや、桃井にも見せてもらうさ。桃井。」
「あ、うん。」


ワザとらしい演技に吐き気を覚えていると、突然振られた赤司くんのセリフにハッとなって、自分のカバンを赤司くんに見せる。


「ない、か…」
「ねぇ、夢ぇ。赤司くん困ってるんだから、カバン出しなよお?」
「……わかった」


廣瀬さんが、カバンを見せた。


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bkm
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