黄金に手を伸ばす 5


なんかいろいろあった。
めんどくさいので割愛。

とりあえず、キャロルがアイシスに懐いたということだけ言っておく。

おーい、キャロル。
その人、キャロルの命狙ってますよー(たぶん)
さらに言えば、私の命も狙ってますよー(たぶん)
てゆーか、その人三千年前の人ですよー(断定)

心の中で言うけど、口に出しては言わない。
だって、その拍子でアイシスに私=アイリスって気付かれたら、私死ぬ。いろいろな意味で私はいろんなものを失うわ。

余談は置いといてー。
つい先日の創立記念パーティで、ジミーとキャロルはなんかいい雰囲気だし。
くそぅ。リア充め。

そして、今日。
キャロルは体調が悪いらしい。
私も付き添いで帰ってきちゃった。てへ。
これもすべて無表情でお送りしています。キリッどやぁ。


「ふむ。熱はないようだな。」
「風邪なんかひいてないったら!」
『キャロル、でも安静にしてないと。』
「ソフィア…」


ソファで横になっているキャロルの頭を撫でる。
ちなみに、キャロルは私と二人きりの時以外は、名前で呼ばない。
そういう約束だからね。

私がキャロルの頭を撫でていると、ばあやがお父さんに風邪薬を持ってくるよう頼んだ。
いやいや、ばあや。
お父さん仕事終わったあとなんだから、それはかわいそうだよ。


『お父さん、私が代わりに行ってくるから、休んでていいよ。』
「そうか?なら、頼む。」


グリグリとお父さんに頭を撫でられてから、私は薬を取りに向かう。
途中でなんかアイシスを見た気がしたけど、スルーした。スルーって大事ね。
だって、関わったらめんどくさいもん。てへ。とか、言ってみる。


『えっと…薬、薬…』


ガサガサと薬を探すけど見つからない。
ばあやヘルプ。薬はどこですかー。

そんなことをしていると、甲高い叫び声がリビングから聞こえて、どうしたのかなーなんて思いながら、リビングに戻る。

と、そこは私が想像してた以上に修羅場になっていた。


『は?』
「キャロルさんがコブラに噛まれた、キャロルさんがコブラに噛まれたわー!!」
『……(あれか。)ジミー!水を持ってきて!お父さんは医者を呼んで!』
「わ、わかった!」「あ、あぁ!」


そこらへんにあったタオルで、キャロルの足をギュッと縛る。
それから、キャロルの足の噛まれた場所から、毒を吸い出す。
本当はこの方法危険なんだけど、しょうがない。


「ソフィア!これ!」
『ありがと。それをキャロルに無理矢理でも飲ませて。』


吸い出しながら、コブラの処置はこれでいいのか不安になる。

私が前前世で習ったのは、ハブとか日本の蛇の治療方法だし…
とりあえず、血清がないとダメなのはわかる。


「ナマエ…ナマエ……」
『キャロル!しっかりして!』
「いや、いや、死にたくないわ…、死にたくない、」


苦しそうに呻くキャロルに、ぎりっと下唇を噛む。
私が今できることはした。
あとは、キャロルの気持ちの持ちよう。

このコブラ。アイシスの仕業だ。
あの時、止めてればよかった。

絶対、絶対、私の可愛い妹は殺させないから。


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