なにゆえですか! 16


「やめろ!」
「やめなさい!」
「やめてくれ!」


マットお兄さんや、ジルお姉さん、カルロスお兄さんの止める声で、パチリと目が覚めた。

目が覚めると、私は何故か宙ぶらりんになっていて、下にはゾンビが三人いる。


『なにゆえですかーーっ??!!!』


驚いて手足をジタバタさせながら叫ぶ。

なにゆえ、私が宙ぶらりんなのーーっ!
てゆか、ゾンビ!ゾンビがいるよう!


「あぁ、目が覚めたかい?」
『?…あ!』


そう言って私に話しかけたのは、私の血液を注射器で取ったり、私に何かを注射したりしてた白衣を着た人だった。


『お前ーっ!アリスお姉さんに、なんにもしないって言ってたのに!馬鹿ーーっ!!お前なんか、老後は一人で、頭はハゲちゃえばいいんだから!!』
「……、自分がどうなってるか、わかってて言ってるのかな?」


白衣の人が、そう言った途端に、私の身体を支えていたロープ的なものが、ガタンと揺れて、私の方に手を伸ばしているゾンビさんに近付く。
今にも、私の身体とゾンビさんの手はくっつきそう。


『ぁ、う…、』


恐い。
思わず私の目から涙が零れそうになる。

けど、アリスお姉さんの声が聞こえて、私は涙を飲み込んだ。


「貴方って、ほんと、最低ねっ!」
「別に結構。アリスも、早くネメシスを倒さなければ、死んでしまうよ?」
『あ、アリスお姉さ、』


アリスお姉さんとネメシスさんが戦ってる姿を見て、私の身体は凍る。
冷静になって、辺りを見渡してみれば、マットお兄さんたちは何かに拘束されてるみたいだし、アンジーちゃんはボロボロと泣いていた。


『な、んでぇ、?』


その言葉と同時に、私の身体がゾンビたちの方に落下する。

ズルズルと、ゾンビが私に近寄ってくる。


「名前!逃げろ!」「名前!」「名前!名前!」

「っ、名前!!」


みんなが私の名前を呼ぶ。

けど、私はそれどころじゃなくて、

なんで、アンジーちゃんは泣いてるの?アンジーちゃんの近くで誰か倒れてるよ?なんでネメシスさんとアリスお姉さんは戦ってるの?アリスお姉さんはもうボロボロだったのに。

ゾンビが私の身体を押し倒す。
それに逆らわずに、私が素直に押し倒されると、ゾンビは私の身体を舐めたり、触ったりする。

ダメ、ダメだよ。
このまま、ネメシスさんとアリスお姉さんが戦ったら、アリスお姉さんは死んじゃう。死んじゃうよ。


『ゃ、めて、』


私の言葉に、私の身体を弄ってたゾンビたちの動きが止まる。

マットお兄さんも、ジルお姉さんもカルロスお兄さんも、アンジーちゃんも、ボロボロで、
マットお兄さんたちなんか、私を助けるために、アンブレラ社の人たちに抵抗しちゃって、ボロボロ。

だめ、だめだよ。
やめて、やだ、


『誰か、誰かお願いだから、アリスお姉さんたちを助けて!!!!!!』


私がそう叫んだ瞬間、ネメシスさんと目が合った。


prev next

bkm
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -