なにゆえですか! 15


車で移動すること何分か。
時間なんてわかんないよう!

やっとどこかのビルに着いた私たちは、一番上の屋上目指して走ってる。

いつもだったら、マットお兄さんに抱っこされて走るけど、今日はアンジーちゃんもいるから、ちゃんと自分で走ってるよ!

だって私、アンジーちゃんよりお姉ちゃんだもん!


『アンジーちゃん、大丈夫?』
「うん。大丈夫だよ。」
『もうちょっとだから、頑張ろうね!』


アリスお姉さんとマットお兄さんが開いてくれた道を、みんなで走る。

屋上に着くと、大きなヘリコプターがあった。


「早くこれに乗って!」


ジルお姉さんの言葉に、みんながヘリコプターに乗る。

すると、中には変なパソコン?的なのと、運転する人。
アリスお姉さんがツカツカと運転する人に詰め寄って「早く飛びなさい!」と、切迫詰まったように叫んだ。


「そんなに急がなくてもいいんじゃないか?」
『んっ、』


なんだか聞き覚えのある声が聞こえ、私の口に何かがあてがわれたと思った瞬間、私の意識は真っ白になった。


マットSide

ぐったりとした名前を、男が抱きかかえる。


「全員、外に出てもらおうか。」


その言葉に俺たちは、黙って従うしかなかった。


名前は俺にとって大切な、宝のような存在だ。
守らなくてはいけない、大切なやつ。
俺が、アンブレラ社に実験体にされそうだったところを、名前が身体をはって、止めてくれたことを俺は知ってる。

だから、名前が命の危機に晒されたら、俺が命をはってでも守ってやらなくちゃいけない。


男は名前を抱きかかえたまま、俺たちを外に連行する。

すると、そこにはアンブレラ社の追跡者ネメシスがいた。
男がアリスとネメシスを向き合わせる。


「アリス、ネメシスと戦うんだ。」
「……いやよ。」
「…あいつらがどうなってもいいのか?」
「貴方には、できない。」


アリスの言葉にバンッと銃声が響く。そして、血の匂いが辺りに漂う。


「パパ!!」
「アシュフォード博士は我々にとって、非常に重要な人物だった。…わかるな?」
「っ、わか、ったわ…、」


パパ、パパ、とアンジーがアシュフォード博士の身体を揺さぶる。

手首が拘束されているせいで、名前を救うことも、アンジーの頭を撫でることもできない。


ギュッと、下唇を噛んだ。


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bkm
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