時空の死神さん


目を開けると、知らない場所。

てゆか、こんな人が多いところ初めてですわ!

知らない場所ってことも忘れて、にょほほほ!と陽気に笑う。
人が見てきたので、ニコリと笑顔を返しときましたわ。てへ!


『はぅ!あ、あれは…!』


私の目の前には、可愛い可愛い可愛い可愛い可愛いゴスロリショップ。

みょーん!可愛いです、可愛いですわー!
すぐさま、お店に突入ですわー!

カツカツとブーツを鳴らして、お店に入る。


『っ〜〜!かーわーいーいーでーすーわー!』


可愛いお洋服がたくさんなお店に、思わずキラキラと目が輝く。

あぁ!この赤と黒のパンク系も可愛いですし、ピンクと白の甘ロリ系も可愛いですわー!


『ふにゃーん!』


テンションあげあげとはこのことを言うのですね!
にゃは!勉強になりましたわ!

そんなことを考えながら、ルンルン気分で服を漁る。
そこで私は運命の出逢いをするのです。


『はっ…!こ、これは…、』


水色と青のバランスが素晴らしいフリフリのゴスロリ。フリフリの青のリボンが素晴らしい。


『か、か、買いですわー!侑子さん、侑子さん、これは買いですわ…って、あれ?』


ここで、私は気付きます。
私ってば、知らないところにいたんですっけ。


『そ、そんな…』

嘘ですわぁぁぁあ!!!!

ということは、この服はお預け?お預けですの?
そんなの絶対無理ですわ、イヤですわ!

かくなる上は…、

『強盗…』


ぼそり、危ない考えが私の頭をよぎります。

いや、でも、私は最強ですもの。
いけると思いますの。

ユラユラと私の影が揺れる。
これは…強盗してしまえという侑子さんのお導き?

影を掴む。

その時、後ろから誰かに肩を掴まれた。


『っ、』
「あ、あぁ、いや、別に怪しいものじゃないんだ。ただ、君って可愛いね。」
『怪しいですわ。ナンパなら、殺しますわ!』


話しかけてきたのは、若い男。
帽子を深く被っていて怪しいことこの上ないですわ!

そんな男に、私は影から作り出した短剣を突きたてようとする。
だけど、男は焦った様子でナンパじゃない!と弁解してきたので、短剣を突きたてるのは止めてあげましたの!
私は最強だから、優しいんですわ!


『で、私になんの用ですの?』
「君、モデルやらない?」
『モデル…?』
「そ。俺、こういう者なんだけど…、」


そう言って、男が差し出した名刺を見る。
男の名前は吉田。職業、芸能関係。


『にゃは!』
「え、」


この男、使えますわ!


『モデルでも女優でも、なんでもやりますわ!ただし、』
「た、ただし、なんですか…?」
『この服を買ってくださったらですわー!』


にょほほー!笑いながら、私は服を吉田に差し出した。


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