役職:シークレット 6


「キャラなり!アミュレットハート!」
『キャラなり、かぁ…』


日奈森さんが初めてのキャラなりをした。

それを影で見る私。
私の隣には、気配の消せるライフとルーア。


「ぼくたちもキャラなり、するー?」
『ううん。あのバツたまは、日奈森さんに任せよう。ね?』
「わかったー!」


フワリと笑顔を見せたルーアに、私も笑顔を返す。
ライフは無表情に日奈森さんを見てるだけ。


『じゃあ、遥と雪音も待ってるし帰ろう。』
「うん!」


コクリと頷いたライフと、元気良く返事したルーアの頭を撫でると、私はその場からそっと立ち去った。


「ん?あいつ…」


それが、ジャックに見られていたことには気が付かなかった。





次の日。鳩羽雪ちゃんが転校するらしい。
まあ、私には関係ないけど。

とりあえず、鳩羽さんがバツキャラにキャラチェンジして、クラスの雰囲気が悪いので、フワフワと笑いながら、みんなに話しかける。


『ねぇ、みんな雪ちゃんの悪口言うの悪くないよ。』
「だって!ずっと友達だと思ってたのに、あんな風に思われてたんだよ!」


そんなことを言うクラスメイト。
私としては、鳩羽さんより、クラスメイトの方が最低だと思うけど。

友達なら、信じてあげればいいのに。
それに、雪ちゃんが言った、“みんながかわって、わすれちゃう”嘘じゃないと思う。

小学生なんて所詮そんなものだもの。


『だからって、みんなは悪口を言う人なの?』
「べ、別に…」
『みんなは、雪ちゃんの不安を受け入れてあげないの?雪ちゃんはきっと不安なんだよ。だって、一人で知らない土地に行くしかないんだもん。私だったら、すごく不安。』


私が死んでから、きっとあの世界の友達は私のことを忘れてしまった。

だって、人間ってそんなものでしょう?

大切に、宝物だと思っていたものも、埃を被ってしまえば簡単に忘れられる。

それが人であればなおさら。

だって、どんなに悲しんだって、どんなに後悔したって、世界は進んで行く。

生きてる限り、世界も時も待っていてはくれないんだから。


『ね?雪ちゃんのところに行こう?きっと、一人で不安だよ。』
「そ、うだよね…」
「あたし、酷いこと言っちゃった…」
『大丈夫。許してくれるよ。雪ちゃんは優しい子でしょ?』
「うん!」


ニコリと、私の気も知らず無邪気に笑うクラスメイトに吐き気がした。

でも、それと同時にそんなことを考えてしまう自分に反吐が出る。


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bkm
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