『そういえば、アリスお姉さん、なんでそんな傷だらけなの?大丈夫?痛い?』
アリスお姉さんの膝の上でみんなとお話しながら、アリスお姉さんの手をいじってて気付いた。
アリスお姉さん、なんか傷だらけ。
「ふふ…大丈夫よ。名前と一緒にいたら、痛みも忘れるわ。」
『本当…?マットお兄さんに手当てしてもらわなくて大丈夫?』
「ええ。」
にっこりと笑って、私の頭を撫でるアリスお姉さん。
本当に大丈夫かなぁ?
アリスお姉さんが死んじゃったらどうしよう!
「きっと、名前の心配してることにはならないわよ。」
『ジルお姉さん…』
ジルお姉さんの言葉に、そうかなぁ、と意味もなく自分のほっぺたをむにゅっとつねる。
むにゅむにゅと、そのままつねっていると、その手をマットお兄さんに掴まれた。
『むにゅ?』
「ほっぺたが赤くなるから止めなさい。」
『はいなー!』
マットお兄さんに止められたので、素直にほっぺたから手を離す。
だって、マットお兄さんに怒られちゃうもん!
この前、ヒマでヒマでほっぺたずっとむにゅむにゅしてたら、マットお兄さんに怒られた。お説教された。だから、素直に言うこと聞くんだよ!
「それにしたって、その怪我はどうしたんだ、アリス。」
『そうだよー!私といた時はそんなのなかったのに!』
やっぱり気になってたらしいカルロスお兄さんがアリスお姉さんにそう聞く。
それに便乗して、私もアリスお姉さんに聞く。
ちなみに、L.J.お兄さんは運転してるんだよ!そして、アンジーちゃんは私と手を繋いでるのだ!
「そう。それで、クイーンに聞きたいことがあったんだけど…」
『?なにをー?』
「この街に大きなアンデッドみたいなのがいるのよ。」
その言葉にはて?と首を傾げる私。
ゾンビなら、この街にたくさんいたよ?
「それなら俺も見たぜ!あのでっけぇ変なのだろ?」
車を運転するL.J.お兄さんが話に入ってくる。
でっかい変なの?
「あんた、よく殺されなかったわね。」
「それがよォ、俺も殺されると思ったんだが、手をあげたら、あいつ逃げちまったんだ。つーか、あんなの反則だろ。すげぇ武装だったぜ。」
武装してて、でっかくて、なんか反則っぽいゾンビ…
マットお兄さんと顔を合わせる。
あれ?なんかそんなゾンビにあったことある…
『アリスお姉さん、アリスお姉さん。』
「なぁに?」
『もしかしたら、私たちそのゾンビに会ってるかも?』
アリスお姉さんの服の裾を引っ張りながら、首を傾げて言う。
あれかなぁ?
あの……あれ?なんて名前だっけ?
「確か、ネメシスとか言ってたな。」
『それだぁ!』
マットお兄さんの言葉にポンッと手を打つ。
そうそう。ネメシスさん。
『確か、アンブレラ社の言うこと聞いてて、他のゾンビさんとは違うんだって!』
「……それって、マズイよね?」
『うん。たぶん?』
アンジーちゃんの言葉にコクリと頷く。
あれ?でも、大丈夫なんだっけ?
なんで大丈夫なんだっけ?
「いや…それが、やっぱりそのネメシスのベースはアンデッドだから…」
「……危険なのは名前だけってことね。」
『なにゆえですかーっ!私のお肉なんて食べても美味しくないのに!』
うがぁ、と手をアリスお姉さんの首に回してグリグリとアリスお姉さんの首に頭を擦り寄せる。
すると、慰められるようにアンジーちゃんには手をギュッと繋がれ、ジルお姉さんとカルロスお兄さんには頭を撫でられる。
なんだか切なくなった。
マットお兄さんとアリスお姉さんは何かすごく物騒なことを話してた気がする。
だって、どうやってネメシスさんを倒すか殺すか、アンブレラ社を倒すか殺すかのお話をしてたんだもん!
うぅぅ…アリスお姉さんたちが怒ってるよう!
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bkm