なにゆえですか! 11


『クイーンちゃん、アリスお姉さんは?』


うじゃうじゃとゾンビたちが集まってきていた部屋から抜け出して、道路をマットお兄さんと歩きながら、ゲームに入ってるクイーンちゃんに質問。


【ちょっと待って。今から調べるわ。】
『はいなー!』


クイーンちゃんの言葉に勢いよく返事をして、私はキョロキョロと辺りを見渡す。

ちなみに、私がマットお兄さんに抱っこされてるのは、通常運転だったり!


『ね、マットおにーさん。』
「なんだ?」
『アリスお姉さん、一人で大丈夫かなぁ。』
「…アリスは、たぶん大丈夫だ。」


そう言ってグリグリと私の頭を撫でるマットお兄さん。

んー心配!

そんなとき、プルルルと近くの公衆電話が鳴った。


『え?え?』
「…マズイな。」
【ええ。アンデッドが集まってくるわ!】
『なんですと!』


クイーンちゃんの言葉に衝撃を受けつつ、出るか出まいか迷ってるマットお兄さんを揺さぶる。


『と、とりあえず出ようよ!ゾンビ来ちゃうよう!』
「そうだな…」


ガチャリと電話に出るマットお兄さん。


「……誰だ。」


マットお兄さんがお話してる横で、私はゲーム機に映るクイーンちゃんが探し者をしてるのを見つめる。

はい。私、ヒマなりなりー。
あい あむ ヒマ!


「名前。」
『はいなー!』
「学校に行くぞ。」
『はいなー!……って、え?何故に?』


手を挙げてお行儀良く返事をしたら、何故か学校に行くことに。

はれ?なにゆえですか?


「女の子がそこに取り残されてるらしくてな。行くぞ。」
『はいな!』


ビシッと敬礼して私たちは、学校に行くことにした。

れっつ ごー とぅー すくーるでございますです!


【あ、アリスもそこの近くにいるわ。】
『じゃあ、アリスお姉さんとも逢えるんだね!』
「そうだな。」


笑ってそう言うと、マットお兄さんにまた抱き上げられた。
背の高いマットお兄さんに抱き上げられるて、自分も背が高くなった気分がして楽しい!

そう思って、キョロキョロと辺りを見渡す。

固まった。


「?どうした、名前。」
『あ、あれ…、』
【!あれは、ネメシス…?】


クイーンちゃんがあれを見て驚いてるけど、私は驚いてる場合じゃない。


『うわぁぁあんんっ!目があった!目があったよーーーっ!!』


涙目です。


「?!お、おい、あいつこっちに向かってきてるぞ!」
【あれはネメシス。アンブレラ社が作った、アンブレラ社の言うことを聞く追跡者よ。ちなみにアンデッドがベースだから、わたしたちを殺すことはないわ。でも……】
「……名前を(違う意味で)襲うってことか。」
【そうなるわね。】
『なにゆえーーーっ!!!』


ガシリとマットお兄さんが私を強く抱きしめる。
そして、すぐに全速力で走った。


もう、ゾンビ嫌い!!!


これまた走って私たちを追いかけてくる、ネメシスさんを見ながら、そう叫んだ。


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bkm
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