ただちょっと怖がりなだけ 13


クラウドSide

気絶した名前にため息が零れる。
ったく、めんどくせぇなぁ。
んな、ことくらいで気絶するなんて、修行が足りねぇだろ。この馬鹿。

そんなことを思いながら、人の姿を取ると名前を横抱きにして持ち上げる。俵担ぎじゃねぇだけいいだろ。


「おい、女。こいつ、寝かせるとこねぇのか?」
「それなら、私の寝室が空いてるわ。」


女が「私についてきて。」と言ったので、めんどくせぇけど、女の後ろをついていく。

とりあえず、この馬鹿を寝かせなくちゃなんねぇしな。

あぁ、なんで俺がこの馬鹿のためにこんなこと…


「あとで覚えてろよ…」


それに寝ながらでもビクリと震えた名前に、満足気に笑みを描いた。





目を覚ますと、はくえいさんとなんか小さい人。


「目が覚めたのね。」
『えっと、』
「あぁ、こっちは李青舜よ。私の友人。」
「はじめまして。」


ニコリと笑いかけられたので、私も?がたくさんの頭でニコリと笑いかける。

はれ?クラウドはどこ行ったんだろ?


「やっと目が覚めたか。」
『クラウド!…が、人間になってるぅぅうう!!』
「うるせぇ。」

ゴツンッ!
すごい音が私の頭から聴こえた。

うわぁぁあんん!!
この男、容赦ない!!馬鹿ぁぁああ!!


「あ?なんか言ったか、馬鹿女。」
『いだいいだいいだい!!ご、ごごごめんなさぁぁぁああいい!!』


さすがクラウドさんだね!
心の中で言ったはずなのに、何故か頭グリグリされたよ!

……怖ッ!


『てか、ここどこですか?』
「あー…お前言ってもわかんねぇよ。」
『いやいや!教えてくれてもいいじゃないですか!』
「…俺に手間かけさせんのか?」
『……すいませんでした。』


クラウドって、本当暴君だよね!
泣きそうなのは気のせいじゃない。


『とりあえず、ご主人様に会いに行きましょーよ。ご主人様の近くにいると、ものっそい落ち着くんですよー。』


あの感覚をもう一回思い出す。
ご主人様の近くにいると、なんか私の中のルフの存在がふわふわとして気持ちいい感じになる。

…は!

『これが、恋…!』
「アホか。」
『いだっ!』


ちょっとふざけたら、思いっきり殴られた。

いったぁぁあ!!うぅ…!
頭の中の細胞死滅した。
これ以上馬鹿になったらどうするんだ…!


「これ以上は馬鹿になんねぇよ。」
『何故に私の考えてることわかった?!』
「単細胞の頭の中なんて大抵そんなのだろ。」
『私、単細胞扱い??!!』


もう、クラウド悪魔すぎる!!


「ふ、はは。貴方たち、仲がいいのね。」



お上品な笑い声が聞こえたと思ったら、そこには楽しそうに笑うはくえーさん。

クラウドが悪魔すぎて、忘れてた…!

てゆか、

『仲良くないですよ!どっちかっていうと、主従かんけ…いだだだだ!!!クラウド痛いですぅぅうう!!』
「………死ね。」
『あぅあぅぅぅううう!!!』


グリグリとクラウドの拳に頭をやられながら、本気で涙を零した。
クラウドの鬼ぃぃぃいいい!!


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