現在、私、落ちてます。
『うっきゃぁぁぁぁあぁああああ!!!!!』
こんなことになったのも、つい何時間前かに遡る。
おじいちゃん、もといアモンさんの迷宮の道が何故か急に閉じられそうになっちゃって、アモンさんが出した道に入ったのはいい。
入ったところまでよかったの。
モルジアナさんも帰ってこれたしね!
ゴルタスさんだけ、あの領主様と残ってしまったけど…その時泣いたのも、まあ、しょうがないとして。
で、気付いたら、私は外に放り出されて、今に至ります。
私の腕の中には、白トラ姿のクラウドさん。
うん。私もなんでかよくわかんないよう!
『うわぁぁぁああんんっ!!クラウド、どおしよましょぉぉぉおお!!』
「カイリューで飛べばいいだろ。」
『あ。』
クラウドの言葉にハッとなって、ぽんっと進化する。
さらさらと私の髪の毛が青からオレンジ色に変化する。そして、私の背中にはピコピコと小さな羽。
『飛べた!』
「んなことも思い浮かばねぇとか、このカス。」
『辛辣ですよ!?』
「うぜぇ。」
『泣きたい!』
「泣け。笑ってやる。」
『貴方は鬼ですか??!!!』
クラウドの鬼畜具合に、全私が本当に泣きました。
それで、本当に笑ってるクラウドが怖い。
どこのサディストですか!
「つーか、おい。下見ろ下。」
『……下?』
チラリ、下を見ると、綺麗な女の人。
ばっちし目が合ってしまった。
しばし固まる私と女の人。
さきに動いたのは、女の人。
「貴方、どういう……」
『え、あの、えっと、あ。』
女の人に、どういう言い訳をしようか悩んでいると、パタパタとルフが女の人の周りを飛んでいるのが分かった。
てゆか、ルフが教えてくれてる。
『れん、はくえいさん?って言うの?』
「!何故、私の名を…」
『え、しかも、迷宮攻略者なの?』
ルフとペラペラしゃべっていると、ガブリと腕を噛まれる。
犯人なんて一人しかいないわけであって。
『いっったぁぁぁあい!!』
「このカス。なにをペラペラしゃべってんだよ。」
『へ?あ、』
女の人、もといはくえいさんと目を合わせると、顔が真っ青になる。
『い、いまのはナシで!』
「ねぇよ。」
『うきゃんっ!痛いです!!』
また噛みつかれた。
クラウド酷い。最低だ、このやろー!
とか、思ってないです。思ってないんです。
だから、そんな今にも噛み付きそうに口を開けないでぇぇぇええ!!!
「で、貴方はどういう人なの?」
『あ。』
はくえいさんのこと忘れてた。
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bkm