シュルルル…と小さくなったおじいちゃん。
私はというと、ガクブルとご主人様を盾に震える。
おじいちゃんの視線が私とご主人様で止まった。
「おお…、これはこれは…!“マギ”と“我らがルフ”よ。」
「えっ?…僕のこと?」
『あぅあぅう…』
ぺこりと頭を下げるおじいちゃんに私のライフはもうぜろです!やめたげてよぉ!
あぅあぅ、と泣いていると、クラウドが前に出てくる。それから、ご主人様の笛から青い巨人が出てきた。
『……!』
その大きさにもはや言葉に出来ない私。
もうやだ!帰りたいよぉぉぉおお!!!!
「あっ、貴方様方は…!」
驚いたようなおじいちゃん。すると、おじいちゃんとクラウドと青い人が何かジェスチャーで話し始めた。
と、思ったら、クラウドさんが青い人を思いっきり殴ってた。クラウド恐い。
置いてけぼりな私とご主人様たちは互いに顔を合わせる。
ニコリと笑われたので、ニコリと返す。
「はじめまして、だよね?」
『はい!』
「君は…?」
『えっと、ナマエって言います!ハクリュー兼ルフになりました!』
敬礼をしてご主人様にご挨拶をする。
したら、苦笑いされてしまった。
私、変なこと言ったかなぁ?
「いや、さっきの龍みたいなのはなんなんだ?」
『…うっきゃぁぁぁあんんっ!!!!!』
ご主人様だけに挨拶してたら、となりからニュッと出てきた声に驚いて叫んでしまう。
うぅ…!いきなりなんて、人よりちょっと恐がりな私には死亡フラグですよう!
「おい。そこ、うっせーぞ。」
『ごめんなさいぃぃい!!!』
ギロリ、話を止めて睨んできたクラウドに必死で土下座。
満足したらしいクラウドは私から目を離すと、また話に戻ってった。
くそぅ!鬼!鬼畜!悪魔野郎!!
なんて、口に出したらどうなるかわかってるから絶対言わないけどね!!
心の中であっかんべーをしてから、二人に向き合う。なんだか、後ろからヒシヒシと視線を感じるけど、気にしないもん!私だって、負けない!
『え、えっ、と、さ、さっきのが、ハクリューって言います。かえんほうしゃとか、十万ボルトができます。』
「そんな説明かよ!?」
『ご、ごめんなさぁぁぁあいい!!』
いきなりの大声に驚いて、またご主人様の影に隠れる。
べ、別にビビりなわけじゃないよ!
ただ人より恐がりなだけだもん!馬鹿にしないで!
「で、君はどうしてここにいるんだい?」
『あ、それは…「それは俺から説明する。」…わ、私が言うところだったのに…!』
私がご主人様にその答えを言おうとすると、話しが終わったのかクラウドが私の言葉を遮る。
わ、私の見せ場なのに…!
「こいつはナマエ。アラジンの下僕だ。」
「「は…?」」
『クラウドひどい…!』
下僕じゃないのに。
ただの付き人なのに…!!
クラウドの説明に目をまん丸にするご主人様とアリババくんを見て、私は打ちひしがれました。
とうぶん、立ち直れそうにはありませぬ!
クラウドのバーーーカ!!
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bkm