『アリスお姉さーーんんっ!!』
「え…?」
ガチャリと扉を開ける。
そんな私の手にはしっかりと某ポケットにはいるモンスターゲームカセット入りゲーム機。
マットお兄さんは扉の前で見回りなう!
『うぁぁあんんっ!!大丈夫?大丈夫だった?!』
「っ、ごめんなさい…、貴方は、」
ぎゅぅうう!とセクシーな格好のアリスお姉さんに抱きつけば、アリスお姉さんは困惑気味。
なんですと!
私が衝撃の事実に打ちひしがれていると、ゲーム機にいるクイーンちゃんから声が聞こえた。
【アリスは、記憶が混乱してるのよ。アンブレラ社の実験のおかげでね。】
『なんですとーっ!あの人たち、アリスお姉さんとマットお兄さんには手ぇ出さないって言ったのに!』
ムキーッ!と地団駄を踏んでいると、フワリ、頭に微かなぬくもり。
『アリスおねえさん…?』
「貴方が、私にとってなんだったのかわからない。けど、きっと貴方は私の大切な人だったのね。」
『うぅう…!アリスお姉さん!』
ギュッとアリスお姉さんに抱き着いたのはしょうがないと思うの。
だって好きなんだもん!
あ、こんなタイトルの少女漫画知ってるや。
【わたしの名前なのに…】
『?クイーンちゃんも大好きだよぅ!あいらびゅー!』
【名前!】
アリスお姉さんもマットお兄さんも、クイーンちゃんもみーんな大好きっ!
私は突然このゾンビだらけな世界に来たけど、大好きな人がたくさん出来たから幸せなのです!
『あ!アリスお姉さんの服も探さなくっちゃ!』
「そうね。さすがに、このままじゃ…」
【それなら、ここの近くに服があるところがあるわ!ついでに名前も着替えましょう!】
『えー?私はいいよぅ!』
【……だめ?】
そんなクイーンちゃんに可愛くおねだりされては、私はことわれませぬっ!
『じゃあ、マットお兄さんも着替えさせよーね!』
【そうね!】
「マット…、」
『あ、マットお兄さんはね、アリスお姉さんの彼氏だよっ!』
たぶんだけどっ!
そういえば、私ってばアリスお姉さんとマットお兄さんの関係知らないなって思った今日この頃です。
ガチャリ、扉を開けてマットお兄さんを呼ぶ。
『ね、ね、マットお兄さん。上着貸してー!』
「なんだ?なにかあったのか?」
『アリスお姉さんの服がちょーセクシーなの!このままじゃ、見えちゃいけなところも見えちゃう!』
「子どもが、そんなこと言うな。」
コツン、またマットお兄さんに小突かれてしまった。
『だって、ほんとーなんだもんっ!』
「はいはい。わかったから。これ上着な。」
『ありがとーっ!』
マットお兄さんから上着を受け取ると、部屋に入ってアリスお姉さんに上着を被せてあげた。
すると、頭を撫でられた。
そこで、ニヘラと笑っちゃう私ですよぅ。
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bkm