階段を登りきると、久しぶりの普通のお部屋。
やっだー!
久しぶりの部屋だーっ!
テンションが上がって年甲斐もなく跳ね回る。きゃっふい!
「っ…!」
『マットお兄さん?どうしたの?その怪我。』
「いや…、」
「マット!貴方あの時怪我してたの?!」
待ってて、ワクチンがあるから!
そう言ってアリスお姉さんがカバンからガサゴソとなにかを探す。
すると、バンッと扉が開かれる。
『へ?なになに?』
「感染者を探せ!捕まえろ!」
『やっ、だっ、』
「マット!マット!ワクチンが!」
マットお兄さんにワクチンする前に、白い服をきた変な人たちがマットお兄さんをどこかに連れて行ってしまう。
『っ、やめろって言ってんでしょーっっ!!!!』
私が叫んだとたんに、さっき閉まったはずの扉が開かれる。
そこから、またゾンビが五人(あれ?人なの?ゾンビって人で数えるべきなの?)出てきた。
そして、また閉まる扉。
『え、なんで?』
「マット、名前!」
頭の中がはてなでいっぱいの私の手をアリスお姉さんが引く。
それからカバンを奪って、マットお兄さんを拘束していた男の人を蹴りで沈める。
ゾンビたちは何故か私とアリスお姉さんとマットお兄さんは襲わずに、白い服着た人のみを襲い始める。
え?あれ?なんでぇ?
……ま、いっか。
気にしちゃいけないんだよね!きっと!
「名前、ワクチンをとって!」
『はいな!』
チクン、アリスお姉さんがマットお兄さんの腕にワクチンを打つ。
……てゆか、なにもわからずにワクチンを打ったけど、ワクチンにどんな意味があったの…?
はて、と首を傾げていると、白い服を着た人にまた捕まった。
ゾンビは死んじゃったらしい。がっでむ!
ガブリと噛み付くけど効果なし!
むしろ、口の中にゴムの味が広がって私に多大なダメージです!
さらに今までの冒険?から疲れきってたアリスお姉さんとマットお兄さんも捕まっちゃった。
と、思ったら、マットお兄さんだけが一人だけ、どこかに連れていかれる。
「名前!マットのところに行くのよ!」
『っ!アリスお姉さん、後で会おうねっ!』
「えぇ!」
アリスお姉さんと話した後、白い服を着た人を突き放して、一人隔離されそうなマットお兄さんの寝台へ引っ付く。
意識が朦朧としてるマットお兄さんが私の頭をサラリと撫でた。
『マットお兄さん、大丈夫?』
「あぁ…と言いたいところだけど、ちょっと眠い。寝かしてくれるか…?」
『大丈夫!私がマットお兄さんから離れないから!』
私の言葉を聞くと、マットお兄さんは私に微笑んでから、ゆっくりと目を閉じた。
その後は、マットお兄さんから無理矢理剥がされそうなのを、ガウガウ言って私に近付く変な人を思いっきり殴り続けた。
ら、なんか変な白衣着てる人が、なんか私の血を取らせてくれたら、マットお兄さんとアリスお姉さんには、何もしないって言ったから、血を取らせてあげることにしました。
ふんだ!お前らなんか将来はてっぺんからハゲてしまえ!
そして、彼女にはフラれ、ロンリーな老後を過ごすがいい!
ばぁかっ!
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bkm