「遥ぁぁぁあっ!!」
『うにっ、』
さて、今回は私の副業についてお教えします。
先に言っておくと、私の両親は私のことが嫌い。
まあ、おかげで一人暮らし出来てるからいいんだけどね。それに猫とかも来るし。
そんな私のことが嫌いな両親と会う理由が一つ。
両親は、芸能関係の仕事をしてる。
で、私の容姿はけっこういい方。
=芸能活動をしてる。
しかも男装して。
男装してるおかげで、学校の人にバレないからいいんだけど。
いいんだけど、なんの因果か私の両親はイースター所属。私の事務所もイースター。
そしてイースター、芸能関係とくればほしな歌唄。
そう。私とほしな歌唄は同じ事務所なのです。
さらに言えば、何故だか知らないけど、男の私はほしな歌唄に恋をされちゃいました。
「遥好き〜〜!」
『そうですか。どうでもいいです。』
熱烈な愛を叫ばれるのって複雑なんだね。
ちなみに私の男verの名前は遥の名前を借りてる。
だって、ライフなんて横文字使えないもん。私ってば、黒眼黒髪日本人なのに。
従姉妹みたいな顔ならライフでもいいかもしれないけど。あの子は、フランス人形みたいで可愛いから。
「今度のミュージックポップ、一緒に出よぉね!」
『え、』
「あれ?知らないの?遥も出るんだよ!」
ミュージックポップ…?
なんかあった気がするけど…
思い出せないや。
「あぁ!やっぱり遥はかっこ可愛い!!」
『だから、抱き着くのやめてください。』
座ってる私を抱き締めて、そんなことを言うほしな歌唄に呆れる。
よくもまぁ、私のことを知らないのに好きだのなんだの言えるよね。
きっと、私のこと知ったら気持ち悪いって思うはずなのに。
そんなことを考えてしまって頭を振る。
ダメだ。原作始まったからってなんだか弱ってる。
『…はぁ、』
「ん〜?どおしたの?」
『別に…』
「遥は元気が一番なんだから元気だして!」
そう言ってほしな歌唄は私の頭を撫でる。
それを黙って受け入れてれば、ほしな歌唄が調子に乗った。
「きゃぁっ、遥がデレた!式はいつにする?」
『もう、黙っててください。台無しです。』
それよりも、ほしな歌唄は猫が好きなんじゃなかったっけ?
いまだにきゃあきゃあ騒いでるほしな歌唄を横目にそんなことを考えた。
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bkm