役職:シークレット 2


真夜中。
私の部屋に一人の男がきた。
猫のような気まぐれな男。


「なぁ、お前はあいつらのとこ行かないのか?」
『……行かない。』
「ふーん。ま、俺は別にいいけど。」


私の答えなんてどうでもいいかのように、男は私を抱き締める。
そこに、白い塊が一つ、男に思いっきり体当たりをした。


「わたくしの名前様に何をするんですのっ!この万年発情期のクソ猫が!!」
「お前とは違って、俺は名前のこと簡単に抱き締められるし。」
「きーっ!」


白い塊もとい、雪音はそう言いながらどこから取り出したのか、白いハンカチを取り出して角を噛みながら昔の人のように、地団駄を踏んだ。

ってか、それって私のハンカチ…


「うわぁぁあんん!!名前ー!!」
「あっ、おい!待つにゃ!まだ遊んでにゃい!」
「ヨル怖いぃぃいい!!!」


そんなことを言いながら、私の胸に飛び込むのは、ライオンの耳を生やし、頭にファー付きのフードを被った弱虫ルーア。


「………だるっ。」
「ちょっと黙ってくれませんか?空気が汚れます。」
『(この子ら、ひどい。)』


ダルそうに目を半目にしながら、そう呟いたのは銀髪金瞳の狼の耳を生やしたライフ。
そして、すごくひどいことを言ったのが、魔女?魔男?の遥。男の娘のくせに性格は毒舌で恐い。

雪音とルーアとライフと遥。
みんな私の中のキャラ。

私であって、私でない存在。
私を受け入れる大切なパートナー。

唯一、この世界で私が私でいられる居場所。



「いつまでわたくしの名前様を抱き締めてるんですのーっ!!」
「…死ぬまで?」
「………zzz」
「うにゃぅぅう!!!」
「待つにゃぁぁあ!」
「あとで、殺す。」


だからってうるさすぎ!


『イクト、私、イクトと死ぬまでいるつもりないから。てか、死ぬとしたらイクトが先だし。ルーアは百獣の王なんだから、猫に負けないで!遥は不吉なこと言い過ぎ!』

「は?死ぬまでいるし。」
「だって、だってぇぇええ!!!」
「大丈夫です。名前には迷惑かけませんから。」

「あぁんっ、わたくしも名前様に叱咤されたい…!」
「雪音気持ち悪いにゃーっ!!!」
「zzz………」


うるさすぎ。
だけど、なんだかんだで私はこの生活に満足してるの。

ガーディアンなんかに関わらなくたって。



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