人生、力戦奮闘です! 8


「なんでそんなことになるのよ!」


居間にて。
私と乱馬くんは隣り合って、お父さんと玄馬さんに向き合ってる。
で、あかねちゃんはお父さんたちに猛抗議。


『えっと…』
「なまえはこんな男女に渡さないから!」
「んだと?!男女って誰のことだよ!!」
「あんた以外に誰がいんのよ!」


話そうとしたら、あかねちゃんと乱馬くんが喧嘩し始めちゃった。

うーん…どうしよう。
私を間に挟んでの喧嘩だから、両隣がうるさい。

スッと手をあげる。


「どうした、なまえ?」
『あのね、私は乱馬くんの許嫁になってもいいよ?』


にっこり笑って言ったら、みんなにギョッとした目で見られた。今まで喧嘩してたあかねちゃんと乱馬くんも、お父さんたちの後ろで話を聞いてたなびきちゃんとかすみちゃんも、なに言ってるの?みたいな目で私を見てた。

え、なんで?


「なんて、言ったの…?」
『え、っと、だから、乱馬くんの許嫁でもいいって…』


ぐいっと顔を近付かせて、あかねちゃんがおそるおそるといった感じで聞いてくる。

ので、素直に言ってみた。

ら、あかねちゃん恐い。


「なんでなまえがあんなのの許嫁でもいいのよ!」
「……は、なまえは俺の魅力に気付いたんだろ!」
「あんたに魅力なんてあるわけないでしょ!!」


またまた始まった喧嘩に笑いが零れる。

あーあ、二人とも可愛いなぁ。
どうせあかねちゃんと乱馬くんはラブラブになるんだから、許嫁が私でもいいのにね。
それに、幸い私には好きな人もいないし。
許嫁なんて、形だけだもん。


『とりあえず、シャワー浴びてきてもいいかな?』
「「ダメ!!」」


何故に。
乱馬くんと戦ってそのまま来たから、汗かいてて気持ち悪いんだけどなあ。


「なまえが許嫁になるくらいならあたしがなるわよ!」
「はぁ?!」
『あかねちゃんがなるなら、私はそれでもいいと思うよー。』


ニコニコ笑ってそう言うと、乱馬くんに肩をガシッと掴まれる。

え、なんで?


「おまっ、なまえは俺の許嫁になりたいんじゃねぇのかよ!」
『えっと…』
「残念だったわね!あたしのなまえを取ろうなんて百年早いのよ!」
「あんだとッ?!やんのかよ!」
「はぁ?!」

『あの、二人とも落ち着いて、ね?』
「「うるさい!!」」

『あぅー…』

とりあえず、お風呂に入りたいです。


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bkm
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