私の目の前には【無差別格闘流 天道道場】という看板。

家を出て武者修行？の旅に出て三年。
いろいろ想うこともあって、天道なまえ。久しぶりの我が家に帰ってきました。


『ただいまー！』


大きな声で門をくぐると、ドタドタと誰かが走ってくる音。


「なまえ？！」
『あかねちゃん、おひさー。』
「今までどこに行ってたのよ！」


私の片割れが出迎えてくれました。

ふふふ、久しぶりだなぁ。本当。

ニコニコと笑いながら、あかねちゃんのお説教を聞いていれば、突然ギュッとあかねちゃんに抱き締められた。


「心配、したんだから…！」
『ふふふ…』
「なに笑って…！」
『いや、こんな可愛い妹がいてよかったと思って。』


三年前より伸びたあかねちゃんの髪をサラリと撫でる。

うん。可愛いなぁ。


「ぁ…、」
『うん？顔赤い。あかねちゃん、可愛い。』


ただ髪を撫でただけなのになぁ。
顔赤くするなんて。

いいねぇ。女の子って感じだ。


「おぉ！いいタイミングで帰ってきたな！」
『あ、お父さんただいまー。』


なんか固まっちゃったあかねちゃんをどうしようかと迷っていると、門からお父さんがひょこっと顔を出した。

うん？タイミングがいいってどういうこと？


「今日はお前たちの許嫁が来る日なんだ！」


その言葉に私はやっぱりか、とイヤそうなあかねちゃんの顔を見てクスリと笑った。





十五年前、私はこの世界に転生した。
らんま1/2という漫画の世界に。

とある逃亡中の強盗犯に出会ってしまい、殺されてしまった。
うん、あの時ほど、強くなりたい！って思ったときはないや。

そのこともあり、私は武者修行の旅に出ることになるんだけど、まあそれは割愛。

そして、もうそろそろ原作か、と思って将来の妹の旦那でも見ようと帰ってきたら、ビンゴ。

今日が、乱馬くんの来る日だったらしい。

これから騒がしくなるであろう生活に私はまた微笑んだのである。