甘味依存症 16


『……学校、いきたくなあああああ』


ベッドの上から出られなーい。
くそぅ。もう一生ベッドから出たくない。
もうベッドと親友になる。

うん。まあ、テツがいる限り無理なんだろうけどね!


「別に休んでもいいですよ。」
『は、?』
「体調悪いんですよね?僕も名前に何かあったらと思うと心配ですから。」


ヤバイ。まだ、私って夢の中なのかな。

珍しくテツが布団に潜り込んでないなーとか、思いつつ、ベッドの上で呟いた言葉。

それは魔法の呪文。
【学校行きたくない】
まあ、無理だと思って呟いただけだったんだよ。


『え…、ぁ、いいの?』
「はい。どうせなら、一週間くらい休んでてもいいですよ。」


珍しく、珍しく!フワリと微笑みながら、テツがそんなことを言う。

やだ、なんか裏がありそうで怖いですせんせー。

テツが微笑んだ瞬間に、私の背中がゾクリとしたのは間違い。いや、気のせい。
そう。テツに裏なんてないよ。これは、きっとたぶんいやそう信じたい、テツの優しさからくるものだよ。うん。そうそう。


『じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて二日くらい休むね!』


そして、私が休みを明けたときは、私は晴れてマネージャー辞めることができる!ビバ廣瀬さん!!

ベッドで横になりながら、私は気持ちよさからぐっすり快眠できました。

ちなみに、休みのことは何故か我が家で絶大な人気を誇るテツのおかげで大丈夫だと思います。私が言ってダメなことでも、テツが言ったら良しになるから不思議である。

しかも、何故かバスケ部レギュラーのみんなお母さんとお父さんに好かれてるし。さつきちゃんも好かれてるしさぁ。私より好かれてんじゃないの。

まあ、いいや。今大事なのは睡眠。
二日間、エンジョイしよ!

とか、思ってた私が馬鹿だった。

二日経って、私が学校に行くと、すでに廣瀬さんは転校していました。

………私がいない間になにがあった!!!



時は二日前に遡る。

黒子Side


「潰すなら、今日か明日です。」


僕の言葉に、レギュラーみんながいっせいに振り向く。

最近、名前が推薦してマネージャー候補として来た女。
僕たちに媚び売ってるのが丸分かりだし、名前を虐めてることなんて、とっくに気付いてた。

許せませんよね。
僕の名前を傷付けるなんて。

僕と名前は幼馴染です。
いつか名前は、黒子名前になります。
僕のモノです。

小さい頃からの気持ちは、ずっとずっと薄れることなく、それどころか強さを増して、僕の心の中にあり続けていました。

ですから、名前以外の女は必要ないです。
桃井さんは、名前が気に入ってるから仕方が無いですけど。本当だったら、桃井さんもいなくなってほしいです。

まあ、それは置いといて。


「今日、名前ちんはどうしたのー?」
「体調が悪いそうなので、休ませました。赤司くん、終わらせますよね?」
「…そうだな。」


赤司くんの言葉に、ホッと一安心する。

一人目は、僕が追い出しました。
二人目は、黄瀬くんが笑顔で毒を吐き追い出しました。
三人目は、青峰くんにこき使いまくられ、緑間くんが小姑のごとく文句を言われ、辞めていきました。
四人目は、紫原くんが脅しをかけて辞めさせました。

あと一人。
名前が休んでいる間に片付けます。

僕たちは、名前を手放す気なんて、元からないんです。


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