甘味依存症 15


「そのアザはなんだ。」
『あはは…、』

辺りにはキセキの集団+さつきちゃん。
私、ピンチかもしれない。





あと一週間で私の休みが約束される。やふー!

もうテンション高かった。
今なら、みんなに優しく出来る!ってくらい。
ちなみに実際、私はここ数日お菓子を作ったり、マッサージをしてやったりと、すごい働きぶりだった。
マジ、私いい子。素晴らしきいい子。

だって、 廣瀬夢のイジメに負けずにせっせせっせと頑張ったんだから。

廣瀬さんひどいんだよ?
私に鬱憤晴らしか知らないけど、しゃべりながら脛を蹴ったり、お腹を殴ったり。痛かった。
しかも、私の所々にはアザ。お風呂入る時にしみました。ズキズキビリビリした。殺意湧いた。

まあ、でも私の輝かしい未来のため!と言い聞かせて頑張ってたんだよ。

そう。

そ れ な の に !!


「名前ちーん。」
『い"っ、』


敦くんが抱き着いて来たところは、ちょうどアザができたところ。

あ、やば、もう本気で涙目な私。
むしろ、涙がポロリと出た。


「……名前。」
『ぇ、あ、赤…(じゃなくて)征十郎くん。』
「こちらに来い。」


そう言って、征十郎くんは私の二の腕を掴んで引っ張る。
ちなみに、そのとき敦くんは引っぺがされてた。

うん。なんかヤバい気がするから、仕事してたい。
だって、征十郎くんの目がなんかあっぶないもん。あかんわ。ないわ。


『いや、でも私がいなくなったら、廣瀬さんが仕事大変…、』
「いいから来い。」


チラリと、征十郎くんの手に見え隠れする赤い何かがついたハサミ。

いろいろあかんかった。
誰かまともな子(真太郎くんとさつきちゃん)を私に派遣して欲しいです。

友達が少なくてなにが悪い。
ちょっとだけ、涙が出そうになった。


まあ、ここで冒頭に戻ってしまう。
なにこれ、イジメ?イジメなの?
イジメいくない。私の心はズタボロになる。嘘だけど。慣れてるけど。


『だから、アザは転んだんだってば。』
「嘘だ。」「嘘ですね。」「嘘だな。」「嘘ッスね。」「嘘はよくないのだよ。」「うそ。」


えー…、今の私の言葉にどこでそんなハッキリ嘘ってわかるところがあったの。
そっちこそ嘘つけやん。
まあ、私の言葉も嘘なんだけどさ。

あれ…?なんかよくわからなくなってきた。

とりあえず、どうやってここから逃げ出そうと悩んでいると、さつきちゃんが私の目の前に来た。


「名前ちゃん、私にも話してくれないの…?」
『うっ…、』
「名前ちゃん…?」


きょるんと瞳を潤わせるさつきちゃん。
うん。普通に可愛いわ。こりゃ、モテるわけです。

でも、負けるわけにはいかないの。私。


『本当に!なんでもないから。ほら、みんな練習に戻って!さつきちゃんも仕事しよ。』


そう言って、部室から無理矢理出る。
そのさいに、なんか言おうとしてた奴らはスルーでお願いします。

部室から出たあと、廣瀬さんに睨まれた。

もう、精神的に私は疲れたよ…、
かーえーりーたーいーわー。




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