甘味依存症 13


とりあえず、テツをなだめることに成功。
来週の休みは何故かテツと出掛けることになったけど、まあ、許そう。

あぁ…せっかくの休みが……


で、今日。緑間くんが癒しでしょうがない。


「今日のお前のラッキーアイテムはクマのぬいぐるみだったのだよ。」
『ありがとー。てか、このクマのぬいぐるみ可愛いわ!』


中学生男児が持ってるとは思えないクマのぬいぐるみ可愛さに癒された。

しかも、もふもふ。そしてデカい。


『ふわぁ…かわいー』
「しょ、しょうがないから、それをお前にくれてやってもいいのだよ!」
『え?本当?』
「あ、あぁ。」
『やった!毎日一緒に寝よ!』


私と同じくらい大きなクマのぬいぐるみを、緑間くんはくれるらしい。

やった。一緒に寝ないと。テツ除けになる。
しかも、抱き心地最高。

本当、緑間くんって可愛い子だよね。


『緑間くん、本当ありがとね!』
「べ、別に…」
『なんかお礼しないと!なんかして欲しいことある?今ならなんでもしちゃうよ!』
「本当ッスか!?」


にっこり笑って緑間くんにそう言うと、後ろからニュッと黄瀬が出てくる。

それに一言、笑顔で魔法の言葉をくれてやった。


『失せろ。』
「辛辣ッス!!」
『で、緑間くんはなにかして欲しいことある?』
「スルーなんスか?!」
「そうだな…」
「緑間っちまで!!」


とりあえず外野がうるさいので、おすわりさせる。

俺犬扱い?!とか言ってたけど、頭撫でたら黙ったからいいと思う。……犬じゃん。


『で、あるー?』
「な、名前…、」
『?名前?』
「っ、な、なんでもないのだよ!」


そう言って、身を翻して私から離れようとした緑間くんの服の裾を引っ張る。


『えーっと、真太郎くんって、呼んでもいーい?』
「っ、す、好きにしろ。」


顔を真っ赤にしてそう言う緑間くんが可愛くてしょうがない。

私、緑間くんがいるから、この部活でやっていける気がする。
癒しだよね。癒し。


『真太郎くん、可愛いっ!』
「なっ、」
『今度一緒に、占いショップ行こーね!』
「ふんっ!」


くいっとメガネをあげる仕草をする緑間くんを、勝手に了承と捉えて、私はニッコリと笑った。


「……あれ?俺、放置ッスか…、?」


犬は知らん。


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bkm
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