甘味依存症 12


最後の一人、廣瀬夢。
好きな人は不明。性格はぶりっ子性悪。
マネジメント能力普通。


うん。ちょっと性格が悪くても我慢我慢。
私の放課後と休日と朝を自由にするためにも。
いい加減に呼び出しされるのめんどくさいし。

それに、

「名前ちーん。お菓子ちょうだい。」
『 重 い ! 』


もう、めんどくさい。いろいろと。
可愛いけど、可愛いんだけど。

私のことを思いっきり睨み付ける廣瀬さんが怖い。
あーないわー…

廣瀬さんの好きな人は不明。不明だけど、彼女が男の子大好きなのはよーくわかった。
なぜならご覧の通り、私が男子と話していると、めっちゃ睨んでくるから。
まあ、仕事はするんだからいいけど。

あぁ、早く辞めたい。


『で、なんでテツは私の部屋にいんの。』


部活が終わって部屋に帰るとテツがいた。
今日は私と一緒に帰らなかったな、とか思ったら先回りか。


「…最近、名前と話してません。」
『いやいや、それでもほぼ毎日私のベッドに入り込んでたよね?え?』
「それとこれとは話が違います。」


キリッと私を見るテツに脱力。

話が違うって…、いつも話してんじゃん。
私としてる朝の攻防はなんなんだ。
あれは会話じゃないと?


「名前不足なんです…」
『うっ…、』


きょるんとした目でテツは私を見てくる。
やめてー。それに私は弱いの。

小さい頃から、私がいなくなると大きな目でジッと私を見る癖は変わらない。


「名前は僕よりもバスケ部のみんなの方が大事なんですね…」
『なんでそんな極論になるの?そんなこと言ってないよね?』
「だって…」


シュンと下を見るテツに、ダメだ。
私、テツに勝てる気がしない。


『あー…わかった、わかったよ。今日は一緒にいてあげるから。』
「…本当ですか?」
『ほんと、ほんと。……だからって、私の胸を揉むなぁぁぁあ!!!!』


本当ですか?って聞いてるのに、私を抱きしめてくるテツにため息をつきたくなる。
それだけならまだしも、胸を揉んでくるとか…

いつからこんな変態になったんだ。切実にやめてほしいわ。


「あ、胸大きくなりました?今度下着買いに行きましょうか。名前の下着は、色気がないですし。」
『……余計なお世話!』


テツの頭に鉄拳制裁を落としたのは言うまでもない。


prev next

bkm
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -