最後の一人、廣瀬夢。
好きな人は不明。性格はぶりっ子性悪。
マネジメント能力普通。
うん。ちょっと性格が悪くても我慢我慢。
私の放課後と休日と朝を自由にするためにも。
いい加減に呼び出しされるのめんどくさいし。
それに、
「名前ちーん。お菓子ちょうだい。」
『 重 い ! 』
もう、めんどくさい。いろいろと。
可愛いけど、可愛いんだけど。
私のことを思いっきり睨み付ける廣瀬さんが怖い。
あーないわー…
廣瀬さんの好きな人は不明。不明だけど、彼女が男の子大好きなのはよーくわかった。
なぜならご覧の通り、私が男子と話していると、めっちゃ睨んでくるから。
まあ、仕事はするんだからいいけど。
あぁ、早く辞めたい。
『で、なんでテツは私の部屋にいんの。』
部活が終わって部屋に帰るとテツがいた。
今日は私と一緒に帰らなかったな、とか思ったら先回りか。
「…最近、名前と話してません。」
『いやいや、それでもほぼ毎日私のベッドに入り込んでたよね?え?』
「それとこれとは話が違います。」
キリッと私を見るテツに脱力。
話が違うって…、いつも話してんじゃん。
私としてる朝の攻防はなんなんだ。
あれは会話じゃないと?
「名前不足なんです…」
『うっ…、』
きょるんとした目でテツは私を見てくる。
やめてー。それに私は弱いの。
小さい頃から、私がいなくなると大きな目でジッと私を見る癖は変わらない。
「名前は僕よりもバスケ部のみんなの方が大事なんですね…」
『なんでそんな極論になるの?そんなこと言ってないよね?』
「だって…」
シュンと下を見るテツに、ダメだ。
私、テツに勝てる気がしない。
『あー…わかった、わかったよ。今日は一緒にいてあげるから。』
「…本当ですか?」
『ほんと、ほんと。……だからって、私の胸を揉むなぁぁぁあ!!!!』
本当ですか?って聞いてるのに、私を抱きしめてくるテツにため息をつきたくなる。
それだけならまだしも、胸を揉んでくるとか…
いつからこんな変態になったんだ。切実にやめてほしいわ。
「あ、胸大きくなりました?今度下着買いに行きましょうか。名前の下着は、色気がないですし。」
『……余計なお世話!』
テツの頭に鉄拳制裁を落としたのは言うまでもない。
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bkm