夏の暑さが顕著に表れてきました。
汗だくだくです。
現在、私は校舎裏の日陰の涼しいところで寝たい衝動に駆られています。
まあ、そんなのは無理なんだけどね。
「なんであんたなんかがバスケ部のマネージャーなのよ!私のほうがふさわしいのに!」
「そうよ!なんであんたみたいな普通の子が…」
ぶっちゃけ、めんどくさい。
キーキー騒ぐヒステリックな女たちに冷ややかな視線を送る。
私だって、辞められるなら辞めたいんだよ?
辞められるなら、だけど。
つい、先日の話である。
私がキャプテンである征十郎くんに部活辞めたい、と言ったところ、
「あぁ、悪いな。なんて言ったのかよく聞き取れなかった。もう一度言ってくれないか?」
ハサミを持って脅された。ハサミいくない。
トラウマなんだけど。
つーか、あの爽やかな笑顔が忘れられない。
そして、あのハサミについていた赤いのはなんだったんだろう。
あ、突っ込んじゃいけませんよね。わかります。
まじ、やめたい。
「っ、なんか言いなさいよっ!」
ボーッとしていたら肩を押されて尻餅をつく。
あ、やば。全然話聞いてなかったや。
つか、痛いわ!加減してほしい。切実に。
「あんたなんて、バスケ部にいらないのよ!私たちのなんだから!」
「あんたとあの女のせいで、私たちは邪険にされるのよ?!」
「あんたも大概だけど、あの不細工も生意気なのよ!男に媚びうって馬鹿じゃないの?!」
『……あのさぁ、』
今まで黙っていた私が言葉を発したことに驚いたのか、五人くらいの女の集団が私を見る。
それに私は立ち上がって、そいつらを睨みつける。
『なにふざけたこといってんの?馬鹿なの?アホなの?死ぬの?つーか、あんたたちがマネージャーになりたい理由ってそれだけ?もっとなんかないの?ほら、バスケが好きだからとかさぁ。そんなんないで、あいつらに近寄りたいからやるってだけじゃマネージャーなんてできないに決まってんじゃん。マネージャーの仕事ってどんなことやるか知ってんの?まずねぇ朝は一番乗りに来てみんなが朝練をする環境をつくる。帰りは一番最後に出るしかない。しかも、みんなが練習中、私たちは基本ドリンク作りにタオルの準備。ゲームの時はスコアをとるから、バスケの知識も頭にいれなくちゃなんない。さらに、ボール磨きに、相手校のビデオを見て弱点とかを見つけて知らせるしかなんない。合宿は一緒にお泊りできていいじゃない?馬鹿ですか?アホですか?馬鹿でアホですね。合宿中は、私たちは朝昼晩のご飯作り。しかも、部員が練習中にはいつも通りにドリンク作りとタオルの準備。
ようは休みなんてないんだよ!マネージャーは奴隷なんだよ!』
爆発した。
溜まりに溜まっていたものが爆発した。
私だってやりたくてやったんじゃないっつーの!
ぶっちゃけ辞めたいけど、私が辞めたらさつきちゃん一人でさらに大変だし、征十郎くん恐いし!辞められないんだよ!
『その気持ちが理解できんの??!!!!』
「な、なによ!私たちだってそのくらい出来るわよ!」
ぷっちーん。
……いいよ。わかった。
そうだよね。もし、この人たちが無事マネージャーになれたら、私も解放されるんだもんね。
やってやろうじゃんか!
『……いいよ。そんなに言うなら、私が征十郎くんに言ってあげるよ。明日からマネージャーになりたい人は、朝五時に体育館。しごいてあげるよ。』
ニヤリと笑って、その場に固まってる五人をおいて、私はさっさと体育館へもどった。
よし!これで、あの中の一人でもマネージャーになれたら私は部活やーめよ!
ちょっとルンルン気分になりながら、私は体育館へもどったのであった。
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bkm