そんなこんなでサーカス事件も終わり、セブン・リング・サーカスも政府から盗みだしました。
終わったときに、ドヤ顔しながらリンデンの薔薇を見せつけてくるクイーンの首を絞めたくなったのはいい思い出です。
『いい加減、離してください。』
ムスーッとしたまま、私の腕に巻き付いているクイーンの腕をつねる。
それに動じないクイーンがムカつきます。
「まあ、いいじゃないか。賭けには勝ったんだから。」
『それでも、私は怒ってるんです。』
私を賭けに使ったことも怒ってるし、私を置いて行ったことにも怒ってる。
『ジョーカー、助けて。』
「クイーン、名前が困ってます。離してやってください。それに……いったいいつまでこの獣たちを船に乗せておくんですか…?」
私を膝に乗せながら、両隣に子犬と子ネコを置いているクイーンにジョーカーがきいた。
「まあ、そういわずに。名前は本当は喜んでいるんだよ。」
『(喜んでない、喜んでないから。どんな曲解ですか、それ。)』
「それにこの子たちも、お腹をすかしてるみたいだし、すこしくらいなら、構わないじゃないか。」
クイーンの言葉にジョーカーがため息をついてるのが分かった。
これは、ジョーカーには迷惑をかけられない。
そう思った私は奥の手を使う。
『私、クイーンから離れたいな。』
ボソリ、そばにいた子犬と子ネコたちに呟いた。
すると、私の言葉を理解した子犬と子ネコたちは、クイーンに向かって一斉に飛びかかる。
クイーン、ざまぁです。
まあ、そんなことを口に出さずにクイーンから離れる。それから、疲れきっているジョーカーのもとに向かった。
『ジョーカー、大丈夫?』
「………頭が痛い。」
ジョーカーが疲れきっている。
こんど、ジョーカーに肩でも揉んであげようと心に決めてから、一匹一匹自分から引き剥がしてノミ取りをし始めたクイーンを見る。
このときの私とジョーカーはきっと、同じことを考えていたと思う。
クイーンにとってノミ取りが、趣味から生きがいになってる…!
私とジョーカーのため息が重なった。
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bkm