NOとは言えないそれが日本人 16


そんなこんなでサーカス事件も終わり、セブン・リング・サーカスも政府から盗みだしました。

終わったときに、ドヤ顔しながらリンデンの薔薇を見せつけてくるクイーンの首を絞めたくなったのはいい思い出です。


『いい加減、離してください。』


ムスーッとしたまま、私の腕に巻き付いているクイーンの腕をつねる。
それに動じないクイーンがムカつきます。


「まあ、いいじゃないか。賭けには勝ったんだから。」
『それでも、私は怒ってるんです。』


私を賭けに使ったことも怒ってるし、私を置いて行ったことにも怒ってる。


『ジョーカー、助けて。』
「クイーン、名前が困ってます。離してやってください。それに……いったいいつまでこの獣たちを船に乗せておくんですか…?」


私を膝に乗せながら、両隣に子犬と子ネコを置いているクイーンにジョーカーがきいた。


「まあ、そういわずに。名前は本当は喜んでいるんだよ。」
『(喜んでない、喜んでないから。どんな曲解ですか、それ。)』
「それにこの子たちも、お腹をすかしてるみたいだし、すこしくらいなら、構わないじゃないか。」


クイーンの言葉にジョーカーがため息をついてるのが分かった。

これは、ジョーカーには迷惑をかけられない。

そう思った私は奥の手を使う。


『私、クイーンから離れたいな。』


ボソリ、そばにいた子犬と子ネコたちに呟いた。
すると、私の言葉を理解した子犬と子ネコたちは、クイーンに向かって一斉に飛びかかる。

クイーン、ざまぁです。

まあ、そんなことを口に出さずにクイーンから離れる。それから、疲れきっているジョーカーのもとに向かった。


『ジョーカー、大丈夫?』
「………頭が痛い。」


ジョーカーが疲れきっている。

こんど、ジョーカーに肩でも揉んであげようと心に決めてから、一匹一匹自分から引き剥がしてノミ取りをし始めたクイーンを見る。

このときの私とジョーカーはきっと、同じことを考えていたと思う。

クイーンにとってノミ取りが、趣味から生きがいになってる…!

私とジョーカーのため息が重なった。


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bkm
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