NOとは言えないそれが日本人 9


目が覚めたら、なんか変な気配がした。
むくりと立ち上がってRDを呼ぶ。


【はい。】
『RD、クイーンとジョーカーは?』
【…えぇっと、】
『…………あの人たち、私をおいて行ったのか。』


この時RDいわく、名前の後ろに般若が見えたそうな。

最低だ。私をおいて行くなんて。
バカバカバカバカバカバカ。

本当に出て行こうかな。
今の私なら一人で生きて行ける気がする。


『ぅー…、』


時刻は午前十時。
もうそろそろお昼の時間。

自室から出てリビングらしきところへ向かう。
すると、船室から叫び声のようなものが聞こえた。


『……なに、してるの、』
「やっ!お前はスペード!おとなしくしろ!」
【今日一日預かることになりました。】



そこにいたのはガクガクと震えながら、私を威嚇する岩清水刑事だった。

あぁ、めんどくさいなぁ。


『どうも、お久しぶりです。岩清水刑事。』
「お前はサーカスにいかないのか!」
『…………そういえば、RD、私お腹空いた。おやつちょうだい。』


華麗に話を反らすのも日本人。


【朝食をきちんと食べないとジョーカーに怒られますよ。】
『オフレコでお願いします。』
【しょうがないですね。】
『岩清水刑事も食べられますよね?』
「ふんっ!敵の出すものなんか食えるか!」
『私はホットケーキがいい。ハチミツかけてね。』
【わかりました。】


岩清水刑事をスルーしてワクワクしながら、ホットケーキを待つ。

私、やっぱりRDのものになろうかな。
RDのほうが優しそうだ。


「おい!スペード。怪盗クイーンについて詳しく話せ。」
『ん…っと、クイーンは、セクハラ魔です。』
「……は?」


ニコッと岩清水刑事に笑いかける。

私のストレス馬鹿にしないほうがいいよ。
すごい、私ストレス溜まってたから。


『私が寝る時とか、たまに一緒に寝ようとかいって、ベッドに入りこんできます。さらに、私がご飯食べてるときにあーん、とか言って私に食べさせようとしたり、私のおでこにチューしたり。やりたい放題です。最近は、私をゲームの賭けに使ったりして…、私の人権なんてないように扱われるんですよ?私、涙目です。』
「なんというか…苦労、してたんだな…」
【(発信機と盗聴器がついてるってバレたらどうなるんでしょうか…)】


ブツブツと私が文句を言ってる横でRDがそんなことを考えていたなんて知らなかった。

もう、クイーンのお世話はうんざりです。


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bkm
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