最強なーう。 3


目の前にはベアに殴られる蜜柑ちゃん。
止めるの忘れちゃった☆
えー?別にワザとなわけじゃないよーぅ?


「名前。ベアと仲いいんだから早く止めなさい。」
『あ、バレたぁ?いやぁ、ちょっと見てみたくて!』


てへ、と蛍ちゃんに可愛く言ったらすっごいドン引きされた目で見られた。
…べ、別に気にしてなんてないんだからね!

そんなことを頭の中で考えつつ、私はベアと蜜柑ちゃんの元へ軽い足取りで向かう。


『ベーアッ!蜜柑ちゃんは私の友達だからイジメるの止めてちょーだい!』
「!」
「名前ちゃん?」


ふふーと笑いながら二人の間に入ると驚いたように私を見る二人。


『助けてあげられなくてごめーんね!ちょっと見てたくて☆』
「……蛍、委員長、名前ちゃんってこんな子なん?」
「…………」
「そうよ。名前には気をつけなさい。」
『ちょ、蛍ちゃん酷いなぁー!傷つくよー?』


蜜柑ちゃんの言葉に呆れたような蛍ちゃんと蜜柑ちゃんからそっと目を反らす委員長。
ちぇー!自覚してる分いいじゃんか!

口を尖らして蛍ちゃんをじとっと見る。
すると、蛍ちゃんは懐から何かを取り出そうとしたので全力で謝りました。まる。
ちなみにベアはそんな私を嘲笑うように見ていました。まる。

……あれ?私、可哀想じゃない?


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


ガタガタと蛍ちゃん印のキリンカーに乗って森の中を進む。


『蜜柑ちゃーん。ごめんね?蜜柑ちゃんとベアの初体験を見たくって☆』
「なんやそれ?!」
『あはっ!蜜柑ちゃんの可愛い姿が見たかったってこと!』


そんなことを言いつつ私はベアにやられた蜜柑ちゃんの怪我に包帯を巻いていく。
クスクスと笑いながら言っていると、蛍ちゃんに冷たい目で見られた。


『蛍ちゃん、なんか目が冷たいよ?』
「別に…それより首が苦しいから離れなさい。」


蜜柑ちゃんの包帯が巻き終わると、蛍ちゃんの首に手を回してぎゅっと抱き着く。
すると、蛍ちゃんに心底ウザそうに見られた。
でも、私は蛍ちゃんはツンデレって信じてるからいいんだ!


「なんや、蛍と名前は仲良しなんやなぁ。」
『えー?なんか照れるー!私は蜜柑ちゃんとも仲良くなりたいな!』
「うちもや!名前ってなんか親しみやすいんよなー。」


そんな感じで蜜柑ちゃんと一緒にきゃっきゃっウフフをやっていると、ぐるんと蛍ちゃんが後ろを向いた。


「あんたたち、私の車の上で暴れるなら放り出すわよ。」
「『ごめんなさい。』」


後に委員長は語る。
この時の私と蜜柑ちゃんは清々しいくらいに素晴らしい謝り方だったと。

だって蛍ちゃんの目がマジなんだもん!
しょうがないじゃん!


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bkm
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