薄く化粧をして、大人っぽい淡い桃色のドレスを着て、首には高そうなチョーカー。それから高いヒールを履けば。
『うわあ。本当化けるなあ。』
鏡を見ながら、自画自賛。
やっぱりあいちゃんに似た私って美人。
本日、私と景吾の婚約発表。
やっぱり宗くんに聞いてた通り、私と景吾が婚約して大々的に世間に跡部財閥と酢乙女財閥の提携を発表するらしい。まあ、私と景吾が婚約したからって今の関係がどーのーこーのってわけじゃないんだけどね!それにほとんど、虫除けに近いし。お互い煩わしい婚約者とか、ねぇ?
「さすが俺様の見込んだ女じゃねーの。」
「お姉様、とっても綺麗ですわ!」
『いやーん!あいちゃんのが綺麗だし可愛いよお!私の天使ー!』
なんか言ってた景吾はスルーして、私の可愛い可愛い目にいれても痛くない妹を抱き締める。
いやーーんん!あいちゃん可愛いぃぃいいいい!!
さすが私の妹だよね!世界で一番可愛いよおお!!
景吾?景吾は目にいれたら痛いと思うけど。
「…おい、俺様に対してはなんにもねーのか。」
『え?あ、景吾?うん、イケメンだねー』
「ふんっ当たり前だろうが。」
私があいちゃんを抱き締めてると、景吾が褒めて褒めてみたいな目で見てきたので、素直に褒めると至極嬉しそうな顔をする景吾。
バカ可愛いとはまさにこのことだね!
私の適当加減に気付こうよ!
「そういえば、今日はあいのお友達も来てるんですの!」
『あ、ネネちゃんたち呼んだんだ。景吾もテニス部の人たち呼んだんだよね?』
「まあな。監督もいる。」
『ふーん…』
とゆーことは。関係者全員揃うんじゃないの。
まず、クレヨンしんちゃんのキャラでしょー。テニプリキャラでしょー。それからトリップしてきたと思われる二人。んで、私。
うわあ…とっっっっても!めんどくさいことになりそうだなあ…
『あいちゃん、ネネちゃんたちにはパーティーの途中であいさつ行くから。ネネちゃんたちから私のもとに来ちゃダメだよ?』
「わかりましたわ!…このパーティーが終わったら、ネネちゃんさんたちとお泊まり会していいですか?」
『私は大歓迎だよ!そしたら、また私のベッドで寝よーねー?』
「はい!」
シャイニングスマイルのあいちゃんにぎゅんぎゅん。あいちゃんをぎゅーっと抱き上げて頬擦りしながら、景吾に向き合う。
『景吾はぜっったい氷帝組は私に近付けさせないでね。』
「ああ。」
『ん。ありがと。』
私より背の高い景吾の頭をグリグリと撫でる。
うーん、もうちょっと景吾が身長低ければもっと可愛がれたのに。身長高すぎるんだよコノヤロー。可愛いけど。
『さて。行こうか。』
あいちゃんを床に下ろすと、にっこりとお嬢様スマイルを景吾に見せながら、手を差し出す。
『よろしくお願いしますわ。景吾さん。』
「……行くぞ。」
『はい。』
こっからは、私はお嬢様で行きたいと思います。
景吾の腕に手をソッと乗せると、私と景吾はパーティー会場にむかった。
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bkm