泰然自若 23


景吾がいない一人きりの生徒会室で、カタカタと手を動かす。

景吾には悪いけど、当分はあの女の面倒見てもらうように言ったから大丈夫でしょ。

景吾を追い出しのはやりたいことがあったから。

もともと、殺される前はロボット関係の仕事につきたかった私は頭がいい。何回かロボットコンテストに出て優勝貰ってたからね。

あ、景吾とは一緒にしないでね?ナルシストとかじゃないから。

まあ、そんな私にパソコンのセキュリティだとかロボットを作ることはお茶の子さいさいなわけで。
小さい頃は景吾にロボットを作ってあげると、すごく喜んだっけ…懐かしい。

と、懐古したい気持ちも山々だけど、私は舞姫まどかの両親がやってる会社の不正について調べなくちゃいけない。

景吾には言ってないけど、私はすでに父親の仕事を手伝っている。何回か子会社の不正も見つけて大手柄でした。いえいっ!

まあ、とゆーわけで今回もそんなお仕事しないとダメなんだよ。で、景吾にはあの女の面倒を見てもらうことにした。

家でやれって?
そんなの……あいちゃんとの時間が大事に決まってるでしょぉぉおおお!!!!!
私のなかでは、一にあいちゃん、二にあいちゃん、三にあいちゃん、四にあいちゃんと景吾と宗くん、五にしんちゃんたち、六に家族だからね!!!!!

やっぱり幼馴染組は大事なんだよ!


『つーか、ここのセキュリティ固すぎ…』


こんだけ固いとなぁ…、

んーっと腕を伸ばしてパソコンと向き合いっぱなしでショボショボになった目をおさえる。
すると、カタリと何かが置かれる音。


「お茶、です…」
『あらら、宗くんありがとうね。』


いつのまにいたのか宗くんがコーヒーを用意してくれていた。
あーさすが宗くん。大和撫子だね!
私のお嫁さんになってほしいわ。


『宗くん、景吾はどうだった?』
「…目付きが……、」
『あ、うん。なんとなくわかった。』


きっと、今の景吾の目付きは人一人殺せるくらい鋭くなってんだろうなぁ。なんて考えながら、宗くんの淹れたコーヒーに口をつけた。


さて、ここで私たちの関係について整理しようと思う。あ、私たち、じゃなくて私たちの親の関係か。
まあ、それはどっちでもいいや。

私と景吾、酢乙女財閥と跡部財閥は昔からの兄弟財閥のようなものだ。
財力面ではどちらも代わり映えはしないが、酢乙女財閥が跡部財閥をサポートする形が今の私たちの関係。
主にその二つの財閥が協力していろいろな事業に手を出している。

ただし子会社や組む財閥は違う。
酢乙女財閥が組む財閥が会社が必ずしも、跡部財閥とも組むとは限らないというワケだ。その逆もしかり。
そして今回、私が調べているのは、跡部財閥のサポートの仕事にあたる。
跡部財閥が変なところと組んだら、酢乙女財閥にもとばっちり来るからね。
そういう諜報系は酢乙女財閥の仕事なのだ。

まあ、簡単にまとめると、舞姫まどか率いる舞姫財閥は今、跡部財閥と提携していて、その舞姫財閥に不祥事がある可能性があるから、酢乙女財閥が調べてるというわけである。

わかったかなー?
…はーい。いいお返事ですねー。


「名前さん、少し、休憩したほうがいいと、思います…、」
『んー…そだね。ありがと。ちょっと寝るわ。』


宗くんの可愛い眼差しには耐えられないわ。私。

ソファーに横になって、宗くんのおやすみなさいを聞いたとたん、私の意識は微睡んでいった。


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