夢の中では何回も何回も私が刺されていた。
「お姉様!おかえりなさいませ!」
『あいちゃん…、』
家に帰るとあいちゃんが私を出迎えてくれた。
私の足に抱きついてきたあいちゃんをギューッと抱き締める。
うん。やっぱりあいちゃんは可愛い。
「…?お姉様?なにかありましたの?」
『うーうん。なんでもないよ。ただ、ちょーっと疲れちゃっただけ。』
グリグリと撫でながらあいちゃんに答える。
あー…やっぱりあの夢が原因だよねー。
やっぱ、久しぶりにあの夢見たからなぁ。
私もまだまだだね。
あいちゃんに元気がないことを悟られるとは。
これは景吾にもバレてそうだ。
「なにがあったか知りませんけど、あいはいつでも名前お姉様の味方ですわ!」
『!…ふふー!私もあいちゃんの味方だよ!!!だぁぁあいすき!!!!!』
「あいもお姉様のことだぁぁあいすきですわ!!!」
あぁぁあ!!!!!!もうあいちゃん可愛いすぎる!!!!!!
あいちゃんを抱き締めながら、そんなことを思って笑顔になれた。
あいSide
わたくしにはお姉様が一人います。
名前お姉様はわたくしをとても可愛がってくださり、甘えさせてくれます。
だからわたくしもお姉様の前だけで甘えるのです。
お姉様のことが好きな景吾お兄様はいつもお姉様に相手されていなくて、ちょっとだけ可哀想です。
名前お姉様と景吾お兄様はいつも一緒です。
それに少しだけ妬いちゃいますけど、お姉様はその分わたくしをたくさん甘えさせてくれるからいいのです。
そんなお姉様はたまーに何かに堪えるようにわたくしを抱き締めます。
その時、わたくしはただ抱き締められてるしかなくて、それが少しさみしいです。
お姉様はわたくしに愛をくださいます。
お父様やお母様がお仕事で忙しいぶん、お姉様はわたくしを愛してくださいます。
わたくしもお姉様を愛しています。
とても、大切な人です。
わたくしにとって、なにより大切な人であり愛おしい人です。
わたくしの一番です。
ですから、わたくしにできることならなんでもやって差し上げたいのです。
きっと、それは景吾お兄様もしん様もねねちゃんさんもみんな同じ思いだと思います。
だから、わたくしたちは、お姉様を傷付ける方は決して赦しません。
わたくしたちは子どもですけど、お姉様のためならなんだってできるのです。
だいすきなお姉様のためですもの。
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bkm