甘味依存症 9


『ちょっ、チャラ男!私の腰を撫でるな!』
「大丈夫ッス!」
『もうわけわっかんないよ!その自信はどこから来るの?!』
「俺ですから!」
『……うっざぁぁあい!!』


そしてめんどくさい!
チャラ男が増えて抱きつき魔が増えたんだけど!


「それより、名前っちはなんで俺のこと名前で呼んでくれないッスかぁ〜…俺、泣くッスよ〜?」
『名前で呼んでほしいならまずその手を離そう。』
「あ、俺としては涼ちゃん(はぁと)って呼んでほしいッス!」


話聞いてください。お願いします。
いや、本気で。
つーか、私のこといつから名前で呼ぶようになったんだよ。はぁ…、


「…黄瀬、名前になにをやってるのだよ。」
「へ?あ、緑間っちじゃないッスか!」
『緑間くん、ヘルプ。』
「……はぁ。」


緑間くんはため息をつきながらも、私をチャラ男から引っぺがしてくれた。
さすが常識人。まるで、天使に見える。むしろ、天使にしか見えない。


『緑間くんありがと。』
「別に、これは、前にもらったクッキーの礼なのだよ。」
『そんな君には今度抹茶ケーキを作ってきてあげるね。いつも、占いのラッキーアイテム貸してくれるし。』


ちょっとツンデレ気味の緑間くんを見ると、癒される私はだいぶ、疲れてるんだと思う。
あれ、なんだか、緑間くんに天使の羽根が生えてる…?


「なんでッスか!俺も名前っちの手作りお菓子ほしいッス!」
『黙れ駄犬。』
「俺と緑間っちの扱い違くないッスか?!」


ちょっとチャラ男にイラッときてつい。

私の言葉がショックだったのかショボーンとうなだれるチャラ男が可愛く見える。てか、ショボーンじゃなくて、半泣き?え?半泣きなの?

しかもついには犬耳に尻尾まで。
やっぱり私は疲れてるのかもしれない。
チャラ男が可愛いだなんて…、


『しょうがないなー。』
「名前っち…?」


床に座ってるチャラ男の頭をぐしぐしと撫でてあげる。

くそっ、私よりサラサラな髪にイラッ。
髪を引っこ抜きたくなる衝動は我慢。


『しょうがないから、作ってきてあげるよ。涼ちゃん(はぁと)』


私にしては大サービス。
ニッコリ笑いながら、チャラ男の希望した通りの呼び方で呼んであげた。

私にも、泣かしたことへの罪悪感ってものがあんだよ。


「ブハッ!」
『んぎゃ!ちょっ!鼻血!鼻血!緑間くん、チャラ男鼻血出した!』
「黄瀬、汚いのだよ。さっさと止めろ。」
『私が言えたことじゃないけど、緑間くんも黄瀬に辛辣ぅう!!』


てか、鼻血を出すなあぁ!

ぁあっ!私の服に血がつくぅぅう!!


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