甘味依存症 5


『さつきちゃん。』
「へっ?わっ、名前ちゃん!」


よっぽど集中してたらしいさつきちゃんは私が来たことに気付かなかったらしく、私が名前を呼ぶと肩はねさせながら振り向いた。

驚いた顔も可愛いとは…
さすが美少女だよね。


『さつきちゃん、お疲れさま。これダージリンティーねー。あとマカロン。』
「えっ?!い、いいの…?」


そんなさつきちゃんにさっき来る途中で作ったダージリンティーを出してあげる。
ちなみに私のは砂糖大さじ六杯入りです。
さつきちゃんのはわからなかったからシロップを何個か持ってきといた。

ちなみに勝手に紅茶作ったことは秘密です。
さつきちゃんだけ特別。


『いいに決まってるよ。さつきちゃんのために作ったんだし。…あ、もしかしてマカロン嫌いだった?』
「!…ううん。大好きだよ!」
『そっか。よかった。』


ニコニコと笑顔なさつきちゃんにつられて笑顔になる。

よかった。マカロンが好きで。嫌いだったら悪いことしちゃったし。

パクリとさつきちゃんが一口マカロンを食べる。


「お、美味し…!すごくおいしいよ、名前ちゃん!」
『本当?ありがと。』
「ううん。こっちこそありがとう!」


キラキラと嬉しそうに笑うさつきちゃん。
いい子すぎて全私が泣いた。

ほら、最近テツとかの面倒ばっかで荒んでた心が浄化された感じだよ。本当に。


桃井Side

ふんわりと微笑みながら私に目を向ける名前ちゃんに身体が熱くなる。

名前ちゃんは私の初めての友達だった。

小さい頃から目立つ青峰くんと幼馴染で男子からも好かれる私は女の子の友達がいなかった。

そんな私が出来た一番最初の女の子の友達。
それが名前ちゃんだった。

入学式、一人でポツンと座っていた私に話しかけてくれた名前ちゃん。
すごく嬉しかった。それは泣いちゃうくらい。

小学校が同じの友達が名前ちゃんに私の悪口を言っても私と一緒にいてくれた。
私だけと。私だけの友達として。

テツ君と幼馴染で、テツ君が名前ちゃんのベッドで寝てるって聞いた時はイラッとしちゃったけど、テツ君は男の子だから名前ちゃんとお風呂とかは入れないけど、私は女の子だから名前ちゃんといろんなことできるから。

まぁいっか、なんて。

テツ君たちとは違って名前ちゃんに一番近いのは私だもん。


「名前ちゃん、だぁいすき!」
『ん?私もだよ。さつきちゃん大好き。』


ニコニコ笑いながら名前ちゃんに抱き着いた。
名前ちゃんの抱き心地を堪能しながらパクリと名前ちゃんのマカロンを食べた。





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