リンゴとハチミツ 9


クリスマスも終わり、お正月。

イブもクリスマスも榎木家にお泊まりでした。
まあ、おじいちゃんたちは、あとからプレゼントくれたからいいけど。

いつになったら、私は預けられなくなるんだろ。


『明けましておめでとうございます。』


そして一月一日。
久々の我が家でおじいちゃんとおばあちゃんと年を明けました。
ちなみに、我が家のおじいちゃんとおばあちゃんはスーパーです。いろんな意味で。
そんな二人が大好きだよ。私。

それはいいとして、一番悔しかったのは紅白が全部見れなかったことかな。
幼女な自分が憎い…!


「あけましておめでとう、名前ちゃん。」
「ほれ!お年玉をやろう!」
『あ、ありがとー!』


おじいちゃんからもらったお年玉を笑いながら、受け取る。
それから、自分のポッケにいれてたあるモノを取り出した。


『あのね、わたしからおじいちゃんたちにおとしだまー。』


にこーっと、幼女スマイル全開で、昨日の夜に作った肩たたき券(五枚組)をおじいちゃんとおばあちゃんに渡す。

うん。ほんと、いい孫だな。私。


「まぁ、まぁまぁまぁ!」
「こ、これをワシらにか…?」
『うん!』
「名前ちゃんはいい子ね!」
「ワシの孫は世界一だ!!」


ここまで褒められるとは、思ってもなかったよ。
親バカならぬ、孫バカなおじいちゃんたちが大好きな私です。




ピンポーン

「はーい!」

おせちも食べ終わって、おじいちゃんの膝の上でお正月番組を見ていると、家のインターホンが鳴った。

それにおばあちゃんが玄関に行くのを見ながら、私とおじいちゃんは真剣に囲碁番組を見る。

だって、お正月って面白い番組やってないんだもん!囲碁って面白いよね。うん。だから、しょうがない。
そこ!年寄りくさいとか言わない!


「名前ちゃん、榎木さんよ!」
『?わたし?』
「ええ。」


新年の挨拶かなー、なんて思いながら、玄関に向かう。

すると、いきなり榎木兄弟に抱き締められた。


『むにゅっ、』
「あけましておめでとう、名前。」
「めでとーごじゃます!」
『おめでと、ござい、ます、』


思いのほか、私を抱き締める力強くて、つっかえつっかえに新年の挨拶を返す。

あ、そういえば、春美さんと拓也くんにも券作ったんだった。
ちなみに、春美さんには普通に肩たたき券だけど、拓也くんには○○券だよ。○○のところに自由にかける券。いわゆるなんでも券!


『はい、はるみさんとたくやお兄ちゃん。』
「これは…、」
『はるみさんには、かたたたきけんです。たくやお兄ちゃんには、なんでもけんだよー』


にっこり幼女スマイルを二人に送る。
と、実くんが手を出してきた。

あ、ヤバい。実くんの分ないや。


『ちょ、ちょっと待ってね!』


そう言ってから、私は自分の部屋に向かう。

あ、よかった。一枚だけ、なんでも券残ってたや。


『みのるくん、はいどーぞ!』
「あがとー!」


にっこり笑顔の実くんに、達成感でいっぱいです!


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bkm
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