馬鹿と天才は紙一重 7


「うわぁぁあーーーっ!!」


それはうるさい叫び声から始まった。
ちなみに、原作を知ってる私としては、セラヴィーうっさい。黙れ馬鹿す。としか思えなかった。

前回のリーヤ記憶をなくす事件から、いそいそと、リーヤたちが戻ってくる前に森の中に逃げ込んだ私たち。
リーヤが戻ってきたら「ご褒美は?ご褒美は?」とかうっとおしそうだったので、本当によかった。


「ちょっと!!何事なの!?」


遠い目をしながら、そんなことを考えていると、なんだかんだで優しいどろしーちゃんが、ガクガクと震えてるセラヴィーにそう聞く。

私?私のセラヴィーを見る目はきっと氷点下。


「た…大変だ…大変だ…」
「セラヴィー!?」
「エリザベスがっ……いなくなっちゃったんですーー!!」


人形無くしたぐらいで、滝のような涙を流す師匠(仮)に私も涙を流したくなったわ。





まあ、そんなこんなで、私とどろしーちゃんと、変なものを持ったセラヴィーは、でっかい家の前。
やだ、こんな変なものを持ってる人と知り合いだなんて思われたくない。

間にあったことは中略。
とりあえず、分かったことはどろしーちゃん、テラ優しい。
セラヴィーなんかじゃなくて、私と逃避行してほしい。本当に。こんな馬鹿すイヤだわー。

屋敷の中にイヤイヤ入ると、五人のぬいぐるみたちがしゃべる。
それにセラヴィーがエリザベスのことを聞けば、ぬいぐるみたちは素直にエリザベスのことを話してくれた。


「エリザベス様ですか?先にみえられた三人のお客様のお連れですね。」
「三人…」「ひょっとして…」


確定だよね。
あの、三人でしょ。

すると、どこからともなく聞こえる高笑い。


「来たな、セラヴィー!」
「やっぱり…」『うぇ。』
「名前、顔。女の子がそんな顔しないの。」
『あはは。』


どろしーちゃんに注意されたので笑った。
ら、悲しそうな目で見られた。何故だ。


「あーー!名前もいるのだ!本物なのだ!」
『…うん。ほら、ちゃんとセラヴィーを相手にして。』
「頑張る!リーヤ部隊突撃ーっ!!」


あおーん、とワンコの掛け声をしてまっすぐ突進してきたリーヤぬいぐるみ部隊。

自主的に扉から出て行ってもらった。

そして一匹、本物のわんこリーヤが私の腕でゴロゴロしてるんだけど、どうしよう。

原作仕事しろ。
私がいるくらいで負けるな。


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bkm
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