馬鹿と天才は紙一重 5


私がツインテールをしてる理由。
ただ単純にチャチャたちにバレないようにするため。

ちなみに私が解こうとしても解けないようにセラヴィーが魔法をかけてる。
マジで潰していいよね。つか、潰す。


「おぉーっ!すごいっ!!」


セラヴィーが素早くケーキを作ったことに拍手を送るチャチャとしいねちゃんに、いや私いらなくね?とか思いながらぼーっと遠くを見る。

すると、匂いで何か勘付いたらしいリーヤが私たちに近付いてくる。


「くん、くん…くんくん……」
「『………』」
「おまえセラ…!」
「これやるから君はちょっと静かにしてなさいね。」


さっき作ったケーキをまるごとリーヤにあげて黙らせたセラヴィーにちょっと、ちょっとだけ感謝。
こんな姿でチャチャたちにバレたらどうなるかわかんない。私、死ぬかもしれない。

あ、でも私がこんなことになってるのセラヴィーのせいだ。くそ。ふざけんなよ。


「おまえ何者ざんす!?」
「まあまあ たまには謎のお助けマンが現れてもいいじゃないですか。作り方教えるくらいいいでしょう?」



よくねぇよ。そんなん一人でやってほしいわ。切実に。本当に。私を巻き込むな。めんどくさい。

そんなことを考えている私の横でごくんっとケーキを食べ終わったリーヤがチャチャたちに私たちの正体をチクろうとして、寝た。
…え、眠り薬入りとか。確信犯だろ。この馬鹿す。


「いいですか、私の言う通り作るのです!!」
「「はいっ!!」」


私のアゥエーっぷりに全私が泣いた。
ガチで帰りたい。





とりあえず作る過程は割愛。
私が言えることは、アレは人間が食べるものじゃないってことだけかな。

だって途中で洗剤いれてたもん。魔法でツノ出してたもん。そもそも小麦粉なんて一回地べたに落としてたもん。

……恐ろしい。


「セラヴィー!!!」


そんな光景を見ながらガクブル震えていると、バンッと扉が開く音と同時に赤ん坊のコスプレ姿のどろしーちゃんが入ってくる。

もう、悲惨すぎて私はなんにも言えない…


「あーっお師匠様だっ!かわいいっ!」
『いやいやいやいや、もっと突っ込むところがあるよね?』
「え?」


思わず突っ込んでしまったのはしょうがないと思う。
普通、師匠のコスプレ姿を見て可愛いで済むのはない。ありえない。


「なんて格好させてくれるのよ!!それにこの魔法全然とけないじゃない!!」
「僕がかけた魔法がそんな簡単にとけるわけないですよ。」
『もうお前滅んでくださいよ。本気で。』


はっはっはーとか笑いながら、そうほざくセラヴィーにボソリと呟いた私はなにも悪くない。


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