馬鹿と天才は紙一重 3


「あーやれやれ。一休みしようかな。」
《こんなに飛んだの名前を連れ戻す時以外だと久しぶりね!セラヴィー先生!》
『私に喧嘩売ってるんですか。セラヴィーさん。』


なんかチラチラと私に嫌味を言ってくるセラヴィーにイラッときて睨みつける。
マジで滅べよ。セラヴィー。


「…………」

ポンッ

セラヴィーは私の言葉をスルーして宙を仰いだかと思うと、魔法で蛇を出した。


「ぎゃーーーっ!!!」
『あ、どろしーちゃん。』


ドサッと木の上からどろしーちゃんが落ちてきた。
うん。久しぶりにどろしーちゃん見るけどやっぱり可愛いよね。ただ、服の趣味はアレだけど。


『どろしーちゃん大丈夫?』
「…あら?名前じゃない。あんたまだ逃げられてないの?」
『あー…あのねちっこい執念男から逃げられると思いますか?長年ストーカーってか、変態の人形のモデルになってるどろしーちゃん。』
「……あぁ。悪かったわね。」


私とどろしーちゃんは結構仲のいい友達だ。
ほら、苦労人同士なんか通じるものがあるというか、なんというか。

よって、しいねちゃんとも会ったことがある。
まあ、それは今はおいとく。


「それより、こそこそ隠れてなにしてるんですか、どろしーちゃん!?」
《世界一の大魔法使いセラヴィー先生のバックをとろうなんて百万年早いわよ。》
「わ…わ…私はしいねちゃんの検定で逃げてただけよ。木の陰で休んじゃいけないっての!?」


そう言いながらツボのようなものを後ろに隠すどろしーちゃん。
うん。どろしーちゃん見てると癒されるよね。なんだろう、この気持ち。


「ま、いーでしょう。ちょうど僕たちもチャチャの検定やってるところなんです。一人旅もつまらないでしょう?一緒に行きますか?」
「だ…だーれがっあんたなんかと…」


そこまで言って途中で考えるような素振りを見せるどろしーちゃん。
どうしよう。どろしーちゃんの考えてることが手に取るようにわかる。
とりあえずセラヴィーを倒したいんだよね。うん。わかるよ。その気持ち。

まあ、でもさ、

『とりあえず、私はどっかに行っていいですか。』
「ダメに決まってるじゃないですか。何考えてるんですか。」
『もうマジでセラヴィーさん滅んでください。そして、どろしーちゃんはそんな引いた目で見ないでください。金髪どろしーちゃんを見るセラヴィーさんと今のセラヴィーさん、そこまで変わってないですからね。』


あー…マジで帰りたい。
とりあえずセラヴィーのいない世界に帰りたい。


「名前も苦労してるわよね…」
『もうどろしーちゃんだけですよ。私のこと分かってくれるのは。本当、セラヴィーさんもチャチャもリーヤも愛が重い。いろいろ重い。』


遠い目をしながらどろしーちゃんに話しかける。
ちなみに、魔法によって下にはレジャーシートが敷いてある。

うん。マジで助けてほしいよね。


「あー…まあ、頑張りなさいよ。」
『あはは。…無理です。』


真顔で言ってやった。真顔で。
だって無理だもの。


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bkm
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