馬鹿と天才は紙一重 2


『…………』
「セラヴィー先生、なんで名前はこんなに機嫌悪いの?」
「それはですね、この間僕から逃げようとして出来なかったからですよ。」
『マジ滅べよ。変態。』


ニヤニヤと笑ってるセラヴィーの足を思いっきり踏む。
そう。この間、原作始まる。よし逃げよう。と思って逃げたらところ、一日で見つかって捕まった。
まじ、こいつありえない。執念深すぎる。
だから、どろしーちゃんに嫌われんだよ。馬鹿す。


「名前ーーっ!!!」
『うっ、……リーヤ、いきなり抱き着くとか…、しかも力強すぎ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ。』
「リーヤ!名前死んじゃうでしょ!それにズルい!」
『いやいやいや、チャチャも、チャチャもだからね。死ぬ、死ぬ、死ぬから。』


二人して私に乗っかかって私を殺そうとしてるんじゃないかってくらい力強く、私を抱きしめる。
どうしよう。死ぬ。


「ほら、二人ともやめなさい。名前が苦しそうですよ。」
『お前もですよ。なにチャチャたちを魔法で遠くにやったあと、どさくさに紛れて私を抱き締めてんですか。ぶっ飛ばしますよ。』


チャチャたちを魔法で飛ばしたあと、セラヴィーが私を抱き締めてきた。
それにイラッとして肘打ちする。
それはちょうどセラヴィーのわき腹に当たったらしい。ざまぁ。


「うきゃーーっ!?」
「うひょーーっ!!」


そんな叫び声が聞こえてチャチャたちがセラヴィーに飛ばされた方を見る。


『…え、ちょ、チャチャが、』


箒でリーヤ乗せて飛んどる。
いや、飛んでるならいいのよ。ただ飛んでるなら。それがただ飛んでるんじゃないのよ。

リーヤの首に縄引っ掛けて飛んでんだよね。
リーヤの顔死んでんだけど。


「誰かとめてぇぇえ〜〜っ!!!」


チャチャはそう言いながら箒でたすけてーと書く。
いや、すごいけど、なんか違うよね。


「さすが僕の弟子。」
《セラヴィー先生の教え方がいいのね》
『違いますから。早くチャチャたちをおろしやがってください。この変態。』


人形遊びしてるセラヴィーにイライラしながら、さっさとこいつから逃げたくてウズウズする。
この師匠ほんとイヤだ。


「しょうがないですねぇ。」


セラヴィーはそう言うと、魔法でカメレオンを出した。そのカメレオンはベッと舌を出すと、チャチャとリーヤを食べた。

……セラヴィーって悪趣味なの?

それからセラヴィーはチャチャをカメレオンの口の中から出した。


「チャチャ、名前。大切な話があります。」
「セラヴィー先生!!」


チャチャはカメレオンの口から出ると同時に、リーヤのほっぺをぺちぺちと叩く。
ちなみに、私は今から逃げようと考え中である。


「僕はチャチャに魔法の基礎はすべて教えました。そろそろ検定を受けましょう。」
「け…検定!?」


セラヴィーがチャチャに検定の仕方を教えている間に、私はポンッと箒を出す。
え?逃げる気満々ですがなにか?


「そんじゃ僕は今から逃げます。ばいびー。」


そう言ってセラヴィーが箒に乗って逃げると同時に感じる浮遊感。
いやいや、なんでだ。


『なんで、私がセラヴィーさんと二人乗りしてんですか。ふざけてんですか。』
「ハハハ、僕が逃げたら名前はどこかに逃げようとしてたじゃないですか。それに名前はもう検定終わってますからね。」
『もう頼むから死んでください。セラヴィーさん』


箒から落としてやろうか、この野郎。
とか、思いながら私は一人ため息をついた。

ちなみに余談ではあるが、私が一度セラヴィーを箒から落とした時、すごく怖い目にあった。
うん。子どもを監禁とか大人じゃないよね。
ほんと死んでくれないかなー。


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bkm
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