リンゴとハチミツ 6


「たーくぅやく〜〜〜ん!遊びましょーー!!」


私がまたまた榎木家でお世話になっていると大きな声が榎木家に響いた。
その言葉に拓也くんが玄関に向かう。
私はというと部屋で実くんと絵本を読んでた。

拓也くんが玄関に向かったからか、ソワソワとする実くんに拓也くんのところに行きなと促すと、実くんは私をじーっとみたあと、拓也くんを追いかけた。

それからしばらく経ってから二人が帰ってくると、なんか一人増えてた。


『?』
「あ、名前。この子はヒロって言って今日一日預かることになったからよろしくね。」


コテリと首を傾げた私に拓也くんが分かりやすく説明してくれた。

へぇ。ヒロって男の子みたいな名前。


『よろしくね。ヒロちゃん。』


にっこり笑って手を差し出したらプイと顔を背けられた。
あれ?人見知りする子なのかなぁ?
さほど気にせずに手を引いて、絵本の続きを読もうと腰を下ろす。
と、拓也くんに抱っこされた。


『たくやお兄ちゃん、どうしたの?』
「ん?なんとなくかな?」
『?』


そのまま私は拓也くんの膝の上に座らせられた。
うん?なんでだろう?
頭を撫でられたので、まあ拓也くんだし、という結論にいたって私はそこで本を読む。
実くんとヒロちゃんはお絵かきをするらしい。

うん。平和。

そのまま拓也くんの膝の上で静かに本を読み続けていると、怪獣もびっくりな泣き声。
私は慌てて拓也くんの膝からおりて、実くんに近寄る。


『実くん?どうしたの?』
「なまえちゃーいちゃ〜〜〜い!!」


そう言って叫びながら私に抱き着いてくる実くんをよしよしと撫でる。
すると、拓也くんが後ろから私ごと実くんを抱き締めた。

うん。だから私がいる意味がわからないって。


「にーちゃぁ、」
「痛いの痛いのとんでいけー」
『とんでいけー』


拓也くんに続いて私も実くんを撫でる。

…はっ!これだとヒロちゃんいじやけちゃうんじゃ…!

チラリとヒロちゃんを見ると、やっぱりプイと顔を逸らされた。
お姉さん悲しい。


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

砂遊びっていくつになっても楽しいよねって話。


「ヒロ、偉いなー泣かなくて」
「…………」
「ワンワンワワーン」


というわけで私たちは公園にいます。
お山作り楽しいです。はい。


「あ、ゴンちゃん!!」


と、ここで拓也くんが友達を発見したらしい。
私たちに砂場にいるように言うと、その友達のところに向かった。
そんな私は現在山にトンネルを作ろうと必死です。

アオーン

そんな声が聞こえてチラリと前を向く。
すると、そこには犬が私たちの方に向かって来ていた。


「にーちゃぁ!ワンワ!!ワンワ!!」
「え?」


実くんが泣く横で私は犬をジッと見る。
フワフワな毛にもこもこな尻尾に馬鹿そうな顔。
こ、これは…!


『可愛い…!』
「う…うっく、」
「あーう…」


なにを隠そうこの私。
動物が大好きなのです。

泣いてるヒロちゃんを実くんが守ろうとしてるよこで私はキラキラとした瞳で犬をみつめる。

そして決心した。
犬を触ろうと…!


『ふ、ふわふわだぁ…!』


案外おとなしく触らせてくれた犬に喜んで抱き着く。
もこもこふわふわ気持ちいい。


『ふにー…』
「名前!危ないから!」
『ふぇ?』


私が犬を堪能していると、拓也くんに脇を掴まれ抱きあげられた。


『あ、いぬー!』
「ダメだよ。ほら、」


私が拓也くんに抱きあげられてる間に犬はどっかに行ってしまった。
ちぇー。可愛かったのに。


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