『えーっ!みんな学校に行くのー?』
ランドセルとやらを背負ってなにやら楽しそうな三人に口を尖らせる。
「あぁ。だから、名前はお留守ば…」
『ずるい!ずるい!私も行く!』
「お前は小学生じゃないだろ!」
その言葉にうっと言葉を詰まらせる。
ムムム…この人痛いところついてくるな…
いや、でも、
『….…私、小学生に見えない?』
催眠能力使っちゃえばいいんじゃない?
とゆーわけで☆
「家の都合でまとめて転校してきました!野上葵です!」
「明石薫です!」
「三宮紫穂です!」
『悠飛名前でーす!』
「「「『よろしくお願いしまーす!!』」」」
催眠能力で子供に見せちゃってます!
17歳、悠飛名前でっす!
あー楽しみ!
紹介が終わって自分の席につくと、とたんに人が集まる。
「へー四人とも友達?一緒に転校なんて…」
「う…うん、あの、仕事が同じなんでその都合…!!」
「どこに住んでるの?」
「えーと、まだ決めてへんけど…たぶん皆本んちかな。」
そんなわけで、恒例?の質問されタイム。
ちゃんと本は読んできたよ!少女漫画!
転校生はいろいろ聞かれる運命だった!
「ね、こんど一緒に遊びに行かない?」
「ここ、近くにでっかい都営公園があるんだよ。」
誘われてすごく嬉しそうな薫ちゃんたちに、私はすごくなんだか安心した。
あーあー。なんか、ずっとバベルにいたいや。
ノーマルもエスパーも、共存できる。
そんな世界が作れたなら、
私なんて、パンドラなんて必要なかったのに。
そんなことを考えていると、男の子と薫ちゃんが喧嘩を始めた。
なんか、男の子がエスパーにインネンをつけてきたらしい。
でも、影でコソコソしてるよりは、堂々と言ってくれる人がいい。
だって、
『やり返しても怒られないもんね!』
「……名前、貴女いい性格してるわね。」
『?』
そう呟いたら、私の手を握ってた紫穂ちゃんに何故だかドン引きされたような目で見られた。
ん?なんで?
あ、ちなみに、私からはパンドラ関係のことの情報はサメコメトリできないようになってる。
京介さんの能力でそんなふうになってるのだ!
結局、私はいつかはバベルを裏切るから。
仲直りをする薫ちゃんたちを見ながら、なんとなくセンチメンタルな気分になった。
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bkm