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「ナマエ…スネイプ先生と何かあったのか…?」
『なぁんもないです。なぁんも。あの大馬鹿先生とはなんにもないです。ドラコは心配しなくてもだいじょうぶですよ。』


あははと乾いた笑いをする私。
私がセブルスに啖呵を切ってから数日が経っていた。
その間セブルスは会うたびに私を睨んできて困った困ったです。
そんなに魔法薬の実験台にされたのイヤだったんですか。確かあの薬は動物に変身する薬だった気がするですけど、そこまで嫌がらなくてもいいのに。のに。

まあ、そんなこんなで毎回睨まれていたら他の人にも噂は広がり、今では私とセブルスの不仲説にはいろんな噂がある。
例えば私はセブルスの娘で家庭を顧みない父親が嫌いだとか、実はセブルスは幼女趣味だとか、他にもたくさんあるらしいけど、どうでもいいです。

てゆか、セブルスが素直になるまではなにがなんでも許しませんです。
……あれ?でも私のこと知らないのに素直になるです…?


『どっ、どうしよです……!』
「……はぁ?」


私、馬鹿です…!
あの子、きっと私がなにに怒ってるかわかってない…!






『…とゆわけで、おじいちゃん。どうしよう』
「ほっほっほ。セブルスには言わないのかのお?」


困ったときのアルおじいちゃん。
ということで、アルおじいちゃんのとこに来てみた。
聞きたいこともあったのでちょうどいいです。

てゆか、セブルスに言うって……


『だってセブに言ったら絶対小言うるさそうですし…セブは頭でっかちですから信じないと思うです。……それに、』
「それに?なんじゃ?」
『私は今ナマエ リンドウなのです。サラ・レイニーの記憶は確かに持ってるですけど、“今の私”はナマエって呼ばれるのが嬉しいです。なのに、セブに言ったらセブはずっと私をサラって呼ぶ気がするです。だから、私はアルおじいちゃん以外にサラのことを言う気はないですよ。』


私はナマエ。確かに私はサラとして生きた記憶がある。だけど、私は今確かにナマエなのです。だから、サラって呼ばれるのはイヤです。


「そうか…そうじゃのう……」
『あ、そういえばアルおじいちゃんに聞きたいことあったです。』
「ん?なんじゃ?」
『レギュのことです。』


レギュラス・ブラック。
ちょっと毒舌で腹黒な後輩でしたけど、私には可愛かった後輩。
私が死んだあと、原作通りに進んだのなら私の置き手紙を見てるはずなのです。


「……彼は例のあの人から逃げて今はどこにいるのかわからんのじゃ。」
『っ、違うです!レギュはたぶん生きてるですよ!あの子はきっと、負けてないです!』
「しかしのぅ……」


あの子は強かだ。
きっと私が用意した場所で私の家族と暮らしてるはずなのです。
きっと、きっと…!


『っ〜〜!じゃ、じゃあ!私、ちょっと見に行くですから休みくださいです!一日で終わるですから!』
「そうは言ってものぉ……」
『行かせてくれないのでしたら、私フレッドとジョージと悪戯仕掛人組むですよ……迷惑、たくさんかけるですよ…』


私がそう言うとおじいちゃんは慌てたように私に許可をくれたです。
前世ではとっても迷惑かけたですからね。
私が悪戯仕掛人になったら大変なのですよ。



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