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とぅるとぅるとぅるーん!
私、リンドウナマエは今どこにいるでしょーか!
いちー、空の上ー。
にー、ハリーとドラコの間ー。
さーん、飛行訓練なーうー。

正解はぁ……!

隠れ四番のセブルスに呼ばれて地下牢にいるです。

……あーうー、なんでこんなことになったんですかー……



そもそも、今日は朝から調子が悪かった。

今日は“私になって”初めての飛行訓練を行う日だった。
原作のようにネビルがいきなり箒で飛んでしまったけど、ネビルが手首を折った以外特になにもなかった。
ドラコがお腹真っ黒大魔王のハリーに逆らうはずもなくドラコとハリーの喧嘩は起こらず、ハリーのシーカーとしての才能は見つからなくていいのかなぁと思っていたら、

私が飛びました。

箒に止まってって言っても止まってくれなくて、箒大暴走でしたですよ。

もう私は涙目です。
もともと箒で空飛ぶのは苦手なんですよ。だから、しょうがないです。しょうがないのです。

それからずっと大暴走する箒に乗っていた私がハリーに助けてもらったときには、すでに私のライフはゼロでしたです。

それからハリーがマクゴガナル先生に連れて行かれるのを見て、私は泣きながら医務室に行くことにした。気持ち悪かったのです。

この時点で私はイヤな予感していた。

結果、私のイヤな予感は当たった。
だって、吐きそうになるのを我慢しながら歩いていたら、セブルスにぶつかった。
セブルスは私が授業中にうろちょろと校内を歩いていたのが気に入らなかったのか、ブツブツと文句を言ってきた。
私はもう限界。
そのままセブルスに抱きつくと、


吐いたです。リバースしたです。



で、あれよこれよと私はセブルスの教官室?に。

セブルスは私をおもいっきり睨みつける。
あぁ、ダメです。ムカムカするです。
でもでも、今ここで怒ったらバレる気がするです。いろいろと。


「ミス リンドウ、何故授業中にうろちょろと校内を歩いていたのかね。」
『…体調悪くなって医務室行くとこだったです』
「ほう。君は体調が悪いというのに、誰にも付き添ってもらわなかったのか?」


うるさいうるさいうるさい。
セブルスうるさい。


『……』
「まあいい。そういえば、君はあのポッターと幼馴染だそうだね。」
『…そうです。』
「君は優秀なスリザリン生だ。あんなのと仲良くするのは改めた方がいいんじゃないのか?」

ぷっつーん。

『ふふふ.……セブルスは大きくなっても馬鹿。』
「なっ、!」
『シレンシオ。』


もーう、怒ったですよ。
あんなの?私の親友の子をあんなのです?
リリーはセブルスの好きな人でもあったのに。


『セブー…私、怒ったよ?ハリーはリリーの子供だよ?好きな人の子供を“あんなの”だなんて…許さない。確かにジェームズはセブのことイジメたけど、最終的には仲直りしたじゃない。仲良くとは言いませんでしたけど、知り合い程度にはなったはず。それを…リリーが悲しむよ。ねぇ、セブ。私、怒ったら当分は許さない。ので、最近作った魔法薬の実験台にでもなってもらうよ…?』
「……!…….、………!!」
『当分黙っててください。私、気持ち悪いから寮に帰りますです。』


言いたいことをすべて言い終わると、私はセブルスに魔法薬を無理矢理飲ませてからとっておきの笑顔を見せて寮に帰った。
まあ、多分セブルスは頭でっかちなので、私が“サラ”の生まれ変わりとは思わないですよ。

だってセブルスだもん。


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