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セブルスがハリーにハリーでは分からないような問題をだす。
ハリーが「わかりません。」と答えるとセブルスは口元でせせら笑った。


「有名なだけではどうにもならんらしい」
『………………』


セブルスがねちっこいです。
小さい頃は可愛かったのに。のに。
それに可愛い女の子が手を上げてるのに、それを無視してハリーだけに聞くセブルスはやっぱりねちっこいとしかいいようがないです。


「ポッター、もう一つ聞こう。ベゾアール石をみつけてこいといわれたら、どこを探すかね?」


女の子が思いっきり高く手を伸ばしたのを無視して、ハリーに聞くセブルス。

なんなんですか。もしかして、ハリーのことが好きですか?リリーからの浮気です!

思わずおかしな方向に思考が行ってしまうくらい、私はセブルスのやさぐれ具合に驚いていた。
ちなみに、ドラコは私の様子を見て頭に?を出している。


『(小さい頃は可愛くて私の後ろにちょこちょこついてきたのにのに。今じゃ、ドラコの方が可愛いですよ。)』


それでもハリーが分からないと言うと、グリフィンドール生が「ハーマイオニーがわかっていると思いますから、彼女に質問してみたらどうでしょう?」と言ってくれた。

……あれ?ハーマイオニー?

はれ?と頭を捻る。
もしかして原作に出るあの女の子です?

そんなことを考えている間にムスッとちょっとだけに機嫌の悪そうなセブルスが答えを言い始めた。

私はもうこの時点で心が折れそうです。

思わずここにいるわけのないリリーに助けを求めた。


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それからもセブルスによるハリーいびりあーんどグリフィンドール生いびりは続いた。もうそれはもう。私は複雑な気分でした。あと、ハリーの機嫌が悪くなるのが手にとるように分かりましたです。

それから今はおできを治す簡単な薬の調合。


『ドラコ、だいじょぶです?』
「あぁ。ナマエがやり方を詳しく教えてくれたからな。やったことあるのか?」
『違うです。勘です。勘っていったら勘なんです。』
「?あぁ、」


私とドラコがそんな話をしていると、セブルスが私たちの薬を驚いたように見たあと、私とドラコを褒めた。
驚いたようなセブルスが気になったけど、気にしないです。一年生の作るおできを治す薬じゃないとか知らないです。

終わってヒマになった私がキョロキョロと辺りを見回していると、ちょっとだけ緑色をした煙が上がり始めたのがわかった。作っている本人はそれに気付いていない模様。

それにヤバイです、と思ってセブルスと話してるドラコを置いて、私はその煙が上がり始めた大鍋に向かう。


『こんにちわです。』
「え、な、ななに?」
「スリザリンがなんだよ。」


男の子たちににっこり笑いかける。
それから懐からある薬品を取り出すとその大鍋に薬品を入れた。


「えぇぇええ!!!な、なにするの??!!!!」
「なにするんだ???!!!!!!」
『このおでき薬、もうすぐで失敗するところだったです。失敗したら、君の顔中におできいっぱいになるところだったので、ちょっとした薬品で一番最初の状態に戻したです。勝手なことしてごめんなさいです。あと、これはシーッですよ。』


人差し指を唇に当てていたずらっ子のように笑った。
私が今かけた薬品は、失敗したり始めから作り治すときに便利な薬品。
失敗したものを始めからにして、また新しく作り直せるですよ!


「ぇ?あ、ありがとう…?」
『どういたしましてです。私のところは終わったので手伝いますです。最初からになっちゃったから、遅くなっちゃうですから。』
「で、でも…」
『?ほら、早くやりますです!』


クスクスと笑いながら、私は男の子とまた新しくおできを治す薬を作り始めた。
ちなみに、失敗してて素直な男の子がネビル、強気でスリザリンとグリフィンドールを差別する男の子がシェーマスというらしいです。
それから黙って作業をしてた私たちだけど、途中でシェーマスが私に話しかけてきた。


「ねぇ、スリザリンなのに俺たちを手伝っていいの?」
『シェーマスはスリザリン嫌いです?』
「当たり前だよ!あいつら、僕たちのことをいつも馬鹿にするんだ!」


そう言うシェーマスに苦笑い。
ネビルも同じ意見らしくコクコクと頷いていた。


『でも、だからってスリザリンだグリフィンドールだ、と言うのは間違ってると思うです。』
「「?」」
『だって、私はスリザリンですけどグリフィンドールを馬鹿になんてしませんです。それに、私にとったらグリフィンドールもスリザリンも同じです。グリフィンドールとスリザリン。そうやって見ることで自分の世界が狭まってるです。スリザリンにだって、純血じゃない人がいるかもしれない、グリフィンドールには純血の人がいるかもしれない。一概に、純血はスリザリンで純血じゃないグリフィンドールを馬鹿にしてるなんて方程式は出てこないです。』


それは私が前世で培ってきた経験。
グリフィンドールには純血のシリウスがいた。スリザリンには半純血のセブルスがいた。
スリザリンのセブルスはシリウスたちを馬鹿にしなかった。それどころか興味すらなかったはず。
逆に、そんなセブルスを虐めたのはグリフィンドールのジェームズたち。

結局はスリザリンが虐めっこっていうのは先入観なんです。

おできを治す薬が出来上がった頃には、私とシェーマスとネビルは寮なんて関係なく友達になっていた。


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bkm
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