眠いです。すごく眠いです。


『………、』
「お、おい、名前!食べものを食べてる時に寝るな!」
『う、う?うー、』


隣でドラコがため息をついたのがわかった。
だけど、私はそれどころじゃない。

眠 す ぎ る で す

ダンブルドア先生ことアルおじいちゃんに逢ってから私の記憶はさらにはっきりしてくるようになった。ただし、やっぱり名前は出てこない。
なので、私はとりあえずリーマスのために脱狼薬を作ることにした。ちなみに脱狼薬といっても普通のじゃない。私特製で、一週間前に飲まなくても平気だし、甘いものを食べても効果が薄れることはない。でも、これがなかなか難しい。まあ、作れるには作れるですけど。前と同じ部屋だったからある程度の材料はあった。あの部屋はスリザリンの秘密の部屋。スリザリンの後継者しかいれないようにしているらしい。私、知らなかったですけど。

まあ、それはいいとして。ついでに魔法薬を作っていたらすっかり夢中になっちゃって最近あんまり寝てない。だって一回作るとずっと見てないとおかしくなっちゃう薬とかもあるからしょうがないんです。
でも、おかげでリーマスの薬の人狼の薬の他に傷を治す薬や保護呪文と同じ効力のある粉、透明になれる薬やらいろいろ出来た。

それは嬉しいですけど、眠すぎです。
さらに今日はグリフィンドールとスリザリンの合同授業。しかも、セブルスの授業です。

せっかくセブルスとハリーに逢えるのに!


『あぅー…』
「変な声出してないで早く行くぞ。」
『はぃです……』


ハリーに逢うの一週間振りだから嬉しいです。セブルスの授業もワクワクです。でも眠すぎるです。


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

『ハリー!』
「名前?」


セブルスの授業が始まるのを待っていると、ハリーが来たのでドラコをおいてハリーに抱きつく。
ハリーは私が珍しく抱きついたことにびっくりしたようだった。まあ、私が抱きつくのは珍しいですし。驚かれるのはしょうがないです。


「いきなりどうしたの?珍しいね。」
『だって会いたかったですよー。こんなにハリーに会わないの初めてですー。ちゃんと魔法できたです?みんなに迷惑かけてないです?』
「僕も会いたかったよ。心配しないで。迷惑はかけてないから。名前こそ大丈夫なの?」
『大丈夫です。ドラコが優しいです。』


私の言葉にハリーはピクリと身体を動かす。
あれ?そういえば、ドラコとハリーって仲悪かったんでしたっけ?
私からダラダラと汗が流れる。思わず眠気もばっちり覚めたです。
あぅあぅ。ハリーって機嫌悪くなると怖いんです。どうしようです。どうしようです。


『ぁ、あの、』
「名前!勝手に行くな。…ポッター?」
「やぁ、ドラコ。元気かい?久しぶりだね。」
「あ?あぁ…?」
「僕のことはハリーでいいよ。僕もドラコって呼ぶから。」
「ど、どうしたんだ。ポッtt「ハリー?!君、なにがあったんだい?!マルフォイにそんなことを言うなんて!」「僕のセリフをとるな!ウィーズリー!で、本当になんなんだ。」
「別になにもないよ?ね、仲良くなるよね?もちろんロンも。」


とっても良い笑顔でそう言ったハリーに逆らえる勇者はいないと思う。
ドラコとロンも例外ではなく、コクコクと首が取れるんじゃないかってぐらい頷いていた。


『……ドラコ、ロン、ハリーに逆らうダメですよ。』
「………あぁ、」「うん……」
「なぁに?なんか言った?」
「「『イイエ。』」」
「それならいいんだ。」

遠い目をするドラコとロンとにっこりと良い笑顔のハリーを見て、なんだか原作ってなんだっけって思える今日このごろです。
ちなみに、そんなことを思う私も遠い目をしてたって断言できるです。

そんなことを考えていると、足音が聞こえたので、ドラコと一緒に急いでスリザリン寮の席に座る。
私たちが座ったところで、ちょうどバンッと扉を開けながらセブルスが入ってきた。

セーフです、セーフです。
ドラコと一緒に目を合わせてふふふと笑う。

セブルスが一番前まで行くと、出席をとりはじめた。でも、それもハリーの名前まできて止まった。


「ハリー・ポッター。我らが新しいーースターだね」


そう言うセブルスの瞳は確かな憎しみに染まっていた。
その瞳を見て私は泣きそうになる。
セブルスにあんな瞳をさせるのは私?私がリリーをちゃんと助けられなかったからです?


『っ、』


隣でドラコが心配そうにするのがわかった。
きっと私は泣きそうな顔でセブルスを見てたんだと思うです。

セブルス、ごめんなさいです。
でも、私はセブルスもリリーもみんな大好きです。

大演説をするセブルスを見ながら私は今も眠り続ける親友と目の前にいる大切な親友に思いを馳せた。


「我輩が教えるのは、名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死にさえふたをする方法であるーーただし、我輩がこれまでに教えてきたウスノロたちより諸君がまだましであればの話だが」


……ただ、小さい頃のセブルスの方が可愛げあったですけど。
ウスノロって…ウスノロって……
私がいない十年の間になにがあったですか…!


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