迷子になりましたです。


『レイン、ハリーがいないですけど、どうしようです。』


となりにいるレインに話しかけてもレインはホーと鳴くだけ。

…ハリーが迷子になったのが悪いですよね。私は悪くないです。そうです。

なんだか泣きそうになった私だけど一人考えて納得すると、空いているコンパートメントの席を探して列車の中に入った。




『あ、ぅ、』


と、私はここで人生最大のピンチを迎えたのである。

クモ。私の足元に大きなクモ。
別に嫌いじゃないけど、ジッと見つめられるのは恐い。何故だか私から目を離さない毛むくじゃらのクモ。

なんだか泣きそうです。ハリーとははぐれるし…!


「あ!俺のタランチュラ!」


私がどうしようと迷っていると、ドレッドヘアーの男の子が私の元(というよりクモの元?)へ向かってきた。
私はそれにびっくりして変な声しか出せない。


『ほ、ゎ、』
「よかった!探してたんだ!君がこのタランチュラを見つけてくれたのか?ありがとう!」
『え、ぁ、』


男の子は私を無視して話しを進めていく。
てゆか、私のことスルーしすぎです。


「そういえば、こんなところに突っ立ってどうしたんだ?コンパートメントが見つからないのか?俺のとこに来る?」
『ぇ、あ、はい、お願いしますです?』
「あぁ!俺は、リー・ジョーダン!よろしく!」
『ぁ…っと、ナマエ・リンドウです。よろしくお願いしますです。』


何故だか知らないけど、ジョーダンさんのコンパートメントに入れさせてもらうことになりましたです。
うぅ、もうなにがなんだかよくわからないです…


「へぇ、ナマエは東洋人だったのか!」
『はい。だからみんなより小さくて困るです。リーさんは大きくて羨ましいです。』
「そう?小さくても可愛いからいいじゃん!」


リーさんの言葉にほんのりと顔を赤く染める。
なんだかんだで、私とリーさんはとても仲良くなっていた。
リーさんはクィディッチがとても好きで解説をやってるそうです。すごいと思ったです。
でも、それと同時に前世の時もジョーダンってファミリーネームの人がクィディッチの解説をやっていたことを思い出して、あの人の息子かとちょっと納得した。


「よぉ!リー!」
「君のタランチュラを見に来たよ!」
「ジョージ!フレッド!」
『あ、』


リーさんとなんでもないようなことを話していると、いきなりコンパートメントの扉が開いて赤毛の双子が出てきた。
双子はコンパートメントの中まで入ってくると、ジロジロと私を見始めた。
なんだろ?居心地が悪いです。


「リー!君ってやつは!」「俺たちに隠してこんな可愛い子をナンパしてたなんて!」
「「ズルいじゃないか!」」
「ナンパなんてしてないからな!」
「可愛いお嬢さん、」「お名前は?」


双子は交互に喋りながら私の名前を聞いてくる。交互にしゃべる意味はあるのかな?
リーさんのことは完璧にスルーらしい。ちょっとリーさんが可哀想になった。


『えっと、ナマエ・リンドウです。よろしくお願いしますです?』
「俺はジョージで、こっちはフレッド。」「よろしく!ナマエ!」


そう言って顔を近づけてくる双子にちょっと後退り。なんだか迫力があって恐いですよ!


「お前らあんまり名前を怖がらせるなよ。」
「「わかってるさ!」」


なんだか、ハリーとダドリーに会いたくなりましたです…


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