マルフォイ先輩とマルフォイ先輩ジュニアとあいさつ(?)をした後、おわびだの、これからのことだののお誘いでしつこい二人を適当にあしらうと私はホグワーツの入学に必要なものすべてを買い揃えた。
てゆうか、マルフォイ先輩とマルフォイ先輩ジュニアとのこれからってなんですか。これからって。意味わからないです。
ホグワーツの入学準備が終わった後にハリーには誕生日プレゼントを、ダドリーには餞別としたプレゼントを買って、さぁ帰ろうと漏れ鍋に向かった。

あれ?でも、餞別って普通は私が貰う方じゃなかったですっけ?


「うわぁあ!そっちはダメだってぇぇえ!」
『へ、』

ボスンッ!

後ろから聞こえた声に反応して振り向くと、私の顔に突然ふわふわモコモコの何かがぶつかった。あれ?デジャヴです?
べリッと私の顔にぶつかった何かを剥がすと、やはりというかなんというか、それはここ何日かずっと一緒にいたふくろうだった。ふくろうは甘えるように私の方に擦り寄っていた。


「ごめん、ごめんねぇぇえ!」
『ぇ、ぁ、大丈夫です。』


涙目で私に謝る青年にドン引きしながら答える。
この人…見た目もういい年なのに…涙目……
私が答えると明らか様にホッとした様子の青年はその場にへたり込んだ。


「本当にごめんね!そいつ、いっつも逃げ出すんだ…!この前なんか何日もいなかったんだよ!」
『………』


思わずじーっとふくろうを見つめる。
すると、ふくろうは罰が悪そうに私から目を逸らした。


『ふくろうさん!ちゃんと飼い主いるじゃないですか!嘘ついたです!』
「え?え?」
『あの、こっちこそ本当にごめんなさいです。この子、今まで私の家にいたんです。本当にごめんなさいです!』


私が怒った途端、ふくろうは焦ったように私の目を見る。
それをプイと知らんぷりすると、私は飼い主である青年に謝った。
その横でガーンとショックを受けるようなふくろうがいたのはスルーです。一番最初にふくろうに飼い主がいるか聞いたのに嘘ついたのが悪いです!
混乱してる青年に手を差し伸べて立ち上がらせると、私はこのふくろうがいた時のことを詳しく話した。
すると、青年は縋るような目で私を見てきた。
え、なんでですか。なんでそんなキラキラした目で私を見るんです?私、なんにもしてないです。


「あのさ!こいつ飼ってみない…?」
『ぇ、あ、あの、この子って貴方のふくろうじゃないですか?』


青年が指すのは明らかに私に擦り寄ってるふくろうのことで、思わず私は青年に聞き返した。


「え?あ、違うんだ。そいつは僕のふくろうの子ども。里親探そうと思ってたんだけど、全然見つからなくてさ。ずっと探してたんだ!」
『ぇ、でも、』
「あ、こいつの餌なら心配しないで!自分でとってくると思うし!」
『いや、ちが、』
「大丈夫!こいつ、君には懐いてるみたいだし!君なら飼えるよ!」
『あの、話しを、』
「檻も、ほら!ここにあるし!それに君ってホグワーツ生だろ?ふくろうなら何匹いても困らないと思うよ!」
『そうですけど…、』
「あ!もうこんな時間!じゃあ、そいつよろしくね!ちなみに名前はないから!君がつけて構わないよ!じゃあ、また縁があったら!バイバイ!」
『え、ちょ、』


その青年は檻を私に押し付けるととんでもない速さで私の元から去った。いや、むしろ逃げた?
あれ?もしかして私ってまんまとこのふくろう押し付けられたです?

青年が去った方を見ながら今だに擦り寄ってくるふくろうをどうしたものか、と私は頭を抱えた。


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