泰然自若


「名前お姉さま!」
『どうしたの?』

あいちゃん

私がそう言うとあいちゃんはまるで花が咲いたようにふわりと笑う。
やだくて。私の妹可愛い。さすが私の妹!


「景吾お兄さまが名前お姉さまを呼んでおりますわ!」
『あー…私はあいちゃんと一緒にいたいなぁー?』
「アーン?俺様とは一緒にいられねぇってか?」

うわ、出たよ。
ぼそっと声に出して文句を言う。景吾ってだーいぶめんどくさいんだよねー…
それに比べて私のあいちゃんは可愛い!どんぐらい可愛いかと言うとものすごく!


「てめぇ…」
『あーはいはい。なんの用ですか。景吾サマ』
「名前お姉さま、景吾お兄さまが怒っておりますわ」
『大丈夫だよ!あいちゃんは本当可愛いね!』


私が思わずあいちゃんに抱きつくとあいちゃんはきゃっきゃ笑いながら私の首に手を回す。
あ、やべ。鼻血出す。


「俺様の話を聞け!」
『はいはい。で、どうしたの。』


私はあいちゃんを抱っこしたまま景吾の話を聞く。景吾は青筋を立てながらも、きちんと用件を言ってくれた。


『いやいやいや。ちょっと待て。』
「なんだ。」
『ドヤ顔やめろ。…じゃくて、私が景吾と日本に行くってどういうこと?!私、ここの中学校に通うんじゃないの!?』
「お前、叔母さまと叔父さまの話聞いてなかったのか?」
『聞いてない!!!!景吾が日本の中学校行くのは聞いてたけど私も行くとは聞いてない!!!!』


景吾は私の言葉にはぁ、とため息をつくと、すんごーくめんどくさそうにしながらも説明してくれた。なんかイラつくなぁ!私の方が精神的に年上なのに!


お前は俺様と同じ中学に通って、俺様の家に居候すんだよ。ちなみに、あいたちはここに残る。


『なんだ、と…?わんもあぷりーず?』
「だから!お前は俺様と一緒に日本の中学校に通うんだよ!」
『その後!』
「お前は俺様の家に一緒に住んで、あいはここに残る」
『そこ!そこだよ!』


なんで、私があいちゃんと離れて暮らすしかないんだ!私、あいちゃんとずっと一緒に住む予定なんだけど!さらに言えば、あいちゃんをお嫁に出す気ないからね!私!


「はぁ、お前もそろそろ妹離れしたらどうだ?」
『景吾離れは出来てもあいちゃん離れは一生出来ない!』


私がそう断言すると、景吾は呆れたように顔に手を当てる。それにムカっとしつつも景吾をぶん殴らなかった私を褒めてほしい。


「名前お姉さまどこかに行っちゃうんですの…?」
『うわぁぁあああ!行かない!行かないよ!私、ずっとここにいるぅぅうううう!』
「あぁ。名前は日本に行って勉強してくるからな。」


景吾てめぇぇぇえええ!なぁに私のあいちゃんの頭に手を置いて撫でてんだ!


『もごっ!ふごっ!』


そして、私の後ろにまわって口を手で抑えるなぁぁぁああああ!なんか夫婦みたいじゃん!景吾が後ろからあいちゃんを撫でてると夫婦みたいじゃん!まじ勘弁!


「あいは偉いから名前が帰ってくるまで待てるよな」
「ええ…わたくし、名前お姉さまのためなら我慢しますわっ!」


あいちゃん偉い!でも、私行く気ないからね!


「名前…行かないなんて行ったら…どうなるか分かるよなぁ?アーン?」


あ、駄目だ。行かないとマズイ。私、海の底に捨てられる。
思わず、首を縦に何回も降る。
すると、景吾は満足したようでにっこりと笑いながら私の口から手を離した。

…景吾がにっこり笑うとかこえぇぇぇぇ!



酢乙女名前。
このクレヨンしんちゃんとテニスの王子様の世界に生まれて12年。
あいちゃんの姉になり、景吾と宗弘くんの幼馴染になり、これでキャラと関わることはないだろー!とか思っていたらここにきて氷帝に転校フラグが生まれました。

……ふざけんじゃねぇぇぇぇええええ!!!!!


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