『とゆーわけで、これから白ひげ海賊団にお世話になることになりました名前です。よろしくお願いしますねぇ?』
たくさんの人が私を見る中で、漆黒の髪を揺らしながら、私は笑顔でお辞儀した。
「名前ーっ!」
最初は私に遠慮していた方々が懐かしい。
『エースさぁん、抱き着かないでくださいって、言ってますよねぇ?馬鹿なんですかぁ?』
「な、な、俺と飯食おうぜ!あ、俺の部屋に来てもいいぜ!」
『無視ですかぁ?てゆか、部屋で食事なんて…』
「?飯食うわけじゃねぇよ?」
『……では、なにを…』
「名前を食『ステューピファイ【麻痺せよ】』
…変態は捨てきたはずなんですどねぇ……
ここにも変態がいましたか…
痺れて倒れたエースさんを、足でグリグリと踏み付ける。
エースさんは船長でもないので、遠慮はしませんよぅ。シャンクスさんは一応、あれでも、赤髪海賊団の船長ですからねぇ。
「名前…」
『あらぁ?マルコさん、どうかしましたかぁ?』
「いや…エースを離してやったらどうだ?」
私に話しかけてきたマルコさんに、にっこりと笑顔を見せる。
エースさんを見るマルコさんの目には哀れみが込められていました。
『ふふ。変態はこんなことしても、負けないから大丈夫ですよぉ。』
「………」
マルコさんの見る目が引いてたとか気にしません。
セクハラが許されるのは、三度だけですよぉ。
仏の顔も三度までって言いますしねぇ。
『あ、そういえば、お父さんに呼ばれてたんでしたぁ。エースさん、今度セクハラなんてしたら、海に落としますからねぇ?』
痺れて話せないエースさんをにっこりと笑顔で踏みつけてから、私はお父さんのところに向かった。
変態なんて、この世から滅んでしまえばいいんですよぉ。
▽
コンコンとノックをしてお父さんの部屋に入る。
いつ見ても、やっぱり白ひげさんはでかいですねぇ。そういえば、漫画でも大きかったですよねぇ、懐かしい。
『お父さん、どうかしましたかぁ?』
「おう、来たか。」
『ふふ、お父さんのお願いですからねぇ。』
「嬉しいこと言ってくれんじゃねえか。」
ニヤリと笑ったお父さんにグリグリと頭を撫でられる。
ああ、変態ばかり相手にしてると、こういう普通の行為が癒しに感じますねぇ。
「そういやぁ、おまえ一回ネプチューンのところに帰ったらどうだァ?心配してるだろ?」
『またその話ですかぁ?何度も言ってる通り、私が今あっちに帰ったら、離してもらえないんですよぉ』
お父さんの膝に抱っこされながら、想像する。
ルカ曰く、しらほしは私がいなくなって、すごい取り乱してたみたいですし、今帰ったらしらほし同様、私も監禁されちゃうんですよねぇ。てゆーか、しらほしが私を離すとは思えませんし。シスコンなんですよねぇ、あの子。
シスコンなしらほしを思い出して、思わずため息。
別に嫌いではありませんけど、重いんですよねぇ、愛が。
『とりあえず、充分に外の世界を楽しんでから、家には戻りますから、心配しないでくださいよぅ。なので、引き続きジンベイにも、秘密にしといてくださいねぇ』
お父さんの大きな手をいじりながら、ニコニコ笑ってそう言った。
とりあえずはサッチさんのことも護らなくちゃいけませんしねぇ。
なんて、心の中で付け足して。
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bkm