「あんたが魚人島の姫…?」
『はい、そうですよ?』
私を指差して驚いたようなマルコさんに私はやっぱりにっこりと笑う。
そして、白ひげさんに目線を戻した。
『貴方様が私の国を貴方様のモノにしてくださったおかげで、私の国では平和に過ごすことができます。本当にありがとうございます。』
本当によかった。
あの時のことは感謝してもしきれませんよねぇ。
『マルコ様も、あの時は本当にありがとうございます。』
「は?」
『あら?覚えていませんでした?マルコ様が助けたあの時の人魚の子ども。』
私が幼い頃、人間の海賊に襲われてたときに、助けてくれたのがマルコさん。
ぶっちゃけ、一人でもなんとか出来たのは秘密ですよぅ?
まあ、あのときは魔法を使いたくなかったので都合がよかったですけどぉ。
「いや、あいつは髪が桃色だったよぃ。」
『…あぁ。そういえば髪が黒いままでしたねぇ。』
ぽんっと手を一振り。
こういう簡単な魔法なら杖なし余裕ですよぉ。
私の髪が黒から桃色に変わる。
しらほしと唯一同じところ。
まあ、顔も似てるといえば似てるんですけどねぇ。
これには白ひげさんも驚いたようで、二人して目を丸くしてましたぁ。
『ナマエ、あらため、魚人島国王ネプチューンが父、しらゆりと申します。よろしくお願いいたします。』
長い桃色の髪を揺らしながら、ワンピースのスカートの裾を持ち上げて、クスリと笑った。
「グラララ…今のはなんだ?」
『今のは魔法の一種ですよぅ。私は特殊なんです。ですから、私以外に力を使える方はいない思いますよ?』
「他にはどんなことができるんだよぃ?」
マルコさんの言葉にニコリと笑って杖を振る。
すると、マルコさんの体が浮く。
「おぉう、」
『他には痺れさせたり、記憶を消したりですかねぇ。』
「グラララ…おもしれえ!」
グラララと笑い続ける白ひげさん。と、自分の身体が浮いていて焦っているマルコさん。
ふふふ…マルコさんって可愛いですよねぇ。
からかいがいがありますよぉ。
「よし、お前が俺の娘になることを許そう!」
『ふふ…ありがとうございまぁす。……お父さん。』
「!グラララ!娘もいいじゃねぇか!」
グリグリと頭を撫でる白ひげさんに、こんなのもたまにはいいかもしれない。
なんて思いながら、マルコさんの焦った声をBGMに私はクスリと笑った。
あぁ…変態、ではなく、シャンクスさんがいないというだけで、こんな平和に感じるなんて…
素晴らしいですねぇ。
今度、ベンさんに手紙を送るときは、ちゃぁんと、このことを伝えてあげないとですねぇ。
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bkm