『〜〜♪』
今日はなんだか気分がいいのでナツメの上に乗りながら歌を歌う。
《名前ってその…、歌す、好きなの…?》
『好きですよぉ?ナツメは嫌いですかぁ?私の歌』
《う、ううん!!好き!好きだよ!》
『ふふ、よかったでぇす。』
焦りながら私の歌が好きだというナツメの頭を撫でる。本当、ナツメって可愛いですよねぇ。
そんな感じでほのぼのと、ただしスピードは早く、白ひげ海賊に向かっていると、前方に何かが落ちてきていた。
『?ナツメ止まってくださぁい。』
《う?わ、わかった…?》
『ありがとうございまぁす。』
その何かを確かめるために、ナツメに止まってもらう。
それから私だけでいまだに深い海の底へ落ち続けている何かの元に向かった。
『!……おやまぁ、確か…エースさんでしたよねぇ』
その何かは白ひげ海賊団隊長兼主人公の兄でした。
『とりあえず、助けなくちゃダメですよねぇ。…ナツメ、近くに白ひげ海賊がいるか見てきてくださぁい。』
《う、うん…!わかった…!》
ナツメにそう言うと、私はエースさんを抱きかかえながら海上にあがる。
確か、能力者の人は海の水がダメなんですよねぇ。
とりあえず空気を吸わせないとですねぇ。
『ぷはぁっ、』
《あ、名前、名前!結構すぐ近くに白ひげの船があるよ…!あと…なんか変な小船があるんだけど…ど、どうしよう…?》
チラリとその小船らしきものを見る。
多分、私の記憶が正しければそれはエースさんのだから持って行ったほうがいいかもしれない。まあ、でもエースさんをどこかに乗せないといけないですし、とりあえずはナツメに白ひげ海賊団の誰かを連れてきてもらえるといいんですけど……
ナツメにそう伝えると、ナツメは私が半分もいい終わらないうちにわかった!と言って白ひげ海賊団の元へ向かってしまった。
まあ、ナツメなら大丈夫ですよねぇ。
……とにかくエースさん、どうしましょう。
とりあえずエースさんをその小船らしきものに乗せて横たわらせる。
それから、息をしていないようだったので急いで人工呼吸をした。
私なんかで悪いですけど一応一大事なので我慢してくださいねぇ。それにしたってこの小船…安定感悪すぎですぅ。
「げほっ…!はっ、はっはっ、」
『大丈夫ですかぁ?』
「あ?お前は…、」
ぶらぶらと手を目が覚めたエースさんの目の前で振ればはっきりと目も動いていたので、それに一安心だとニッコリと笑う。
『私は名前って言いまぁす。これから白ひげ海賊団にお世話になりますのでよろしくお願いしますねぇ。』
「……は、」
《名前?なにしてるの?……って、それって白ひげのやつじゃない。》
『(ルカ!ルカは用事終わったんですかぁ?)』
私がニコニコ笑いながらエースさんに自己紹介していると、海から呆れたような声が聞こえたので海を見てみれば、すぐそばにルカがいた。
《まぁね。》
『(じゃあ、ちょうどよかったですねぇ。私とエースさんをあそこの海賊船に連れって行ってもらえますかぁ?)』
《ナツメは?》
『(ナツメは……、)』
《うっえぇええ!!ど、どおしよぉぉぉお!!》
チラリと白ひげ海賊団の方を見ると、ナツメがいきなり出たせいで大騒ぎになっていた。
……説明、ちゃんと聞いてなかったですからねぇ。
《……そんな冷静になってる場合じゃないじゃん。ほら、早く行くよ。》
『(はぁい。ありがとうございまぁす。)エースさん、船に捕まっててくださいねぇ。』
「はぁ?…うぉっ、」
ルカは小船の後ろにつくと、すぐに白ひげ海賊団まで向かってくれた。
ふふふ、私も泳ぎましょかぁ。
「おっ、おい!」
『あ、大丈夫ですよぉ?…私、人魚ですからぁ。』
「っ、」
人魚の尾を見せると、私は笑って海の中に潜って行った。
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bkm